筋トレは「遺伝ボディー・タイプ」を考慮すべき訳 日本人に多い瘦せ型も内蔵脂肪は溜まりやすい

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中高年になると、スポーツをしたり、外に出たりする機会が減ってきます。そのまま有酸素運動を全く行わなくなると心肺機能が衰え、階段を上がるだけで息切れするなど、日常生活に支障が出ます。そのため中高年になっても、筋トレに加えて有酸素運動を行い、健康な心肺機能を保ちましょう。

基本的に、1日に20分以上歩いていれば必要最低限の有酸素運動をクリアし、心肺機能をヘルシーに維持できます。その程度の有酸素運動は健康のためには欠かせませんが、それ以外に有酸素運動をすることによって、体脂肪を調節することができます。

体脂肪を調節するための有酸素運動は、個人個人の状態に合わせる必要があります。遺伝や日常的な活動量などが、有酸素運動の必要性に大きく影響します。遺伝的に代謝機能が優れていて体脂肪を溜めない人もいれば、代謝機能が衰えている人もいます。前者は基本的に何を食べても太らないタイプ(エクトモルフ)ですが、気をつけないといけないのは内臓脂肪です。

エクトモルフの人は皮下脂肪はあまり溜まりませんが、内臓脂肪は溜まります。しかし内臓脂肪は外見からは分かりにくいので、「自分は好きなだけ食べても太らない」と思い込み、内臓脂肪が多いことを見逃しやすいので、特に飽和脂肪の摂り過ぎに気をつけなければなりません。エクトモルフの人が筋肥大を目指すなら、最小限の有酸素運動をお勧めします。有酸素運動をやり過ぎると筋肉をエネルギーとして使ってしまい、筋肉の分解になりかねません。

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逆にエンドモルフの人は何を食べてもすぐ太るタイプですから、有酸素運動の頻度を増やすことをお勧めします。

中間のボディー・タイプ、つまりメソモルフの人は代謝機能が優れていて、体脂肪を溜めずに筋肉を付けやすいタイプです。メソモルフの人は宝くじを当てたようなもので、適度な有酸素運動をお勧めします。栄養を摂るだけ筋肉になるため、有酸素運動をやり過ぎると筋肥大に必要な栄養を有酸素運動のために使ってしまいます。

それと考慮すべきは、毎日の活動量です。例えば、朝から晩まで工事現場で肉体労働を行う人は恐らく十分に有酸素運動を行っているので、それ以上の有酸素運動は不要です。逆に一日中デスクワークを行っている人は、有酸素運動の必要性が高くなります。

フィンク・ジュリウス ノース・ジョージア大学准教授

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Julius Fink

1982年、ドイツ生まれ。2006年にUniversity of Bern BSc in Economics、09年に横浜国立大学大学院国際社会科学研究科経済学専攻博士前期課程を修了。17年に日本体育大学大学院体育科学研究科健康科学・スポーツ医科学系博士後期課程を修了。博士号取得後、順天堂大学医学部泌尿器科学講座の非常勤助教として、男性の健康に対するテストステロンのさまざまな効果、特に高齢者の血中テストステロンと、代謝、心臓、肝臓、骨、筋肉や脳神経との関係のメカニズムを明らかにする研究を行っている。現在はアメリカのノース・ジョージア大学准教授として、最新のトレーニング方法、テストステロン補充療法等を研究している。

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