世界の格差が「西側の政策」で縮小しない根本原因 「普遍的な構造改革をすれば解消できる」は誤解

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貧しい国々を発展させるための西側諸国の政策提言は、タンナ島の人々が行った「復活の儀式」と大差がないことがあまりに多い。

その中身は、先進国の経済の繁栄に関連する制度を表面的にまねただけであり、彼らが富を生み出すのを可能にしている根本的な条件が正しく考慮されていない。しかも、そうした条件は貧しい国には存在しないかもしれないというのに。

とくに、発展途上国の貧困は主として不適切な経済や政治の施策の結果であり、したがって普遍的な一連の構造改革を実施すれば解消されるというのが、これまでずっと通念だった。

この思い込みは、根本的な誤解にもとづいていた。なぜなら、もっと根深い要因がそうした政策の有効性に与える重大な影響を無視しているからだ。効果的な方法をとるのであれば、そうした根源的な要因と取り組まなければならない。それらこそがいつもきまって成長の過程を妨げてきた原因であり、しばしば国ごとに大きく異なるというのが、その理由だ。

見当違いだった「ワシントン・コンセンサス」

こうした見当違いの取り組み方の有名な例が、「ワシントン・コンセンサス」だ。これは発展途上国のための政策提言であり、中心に据えられているのは貿易の自由化、国有企業の民営化、財産権の保護の充実、規制緩和、課税ベースの拡大〔課税対象を広範にすること。特に低所得者の負担増となる〕と限界税率の引き下げ〔課税対象額が1単位増したときに適用される税率を引き下げること。高所得者や高収益企業の減税となる〕だ。

このワシントン・コンセンサスに触発された改革を実行するために世界銀行や国際通貨基金(IMF)が1990年代に多大な努力をしたにもかかわらず、成功は限られ、期待していたほど成果を上げられなかった。

産業の民営化、貿易自由化、財産権保護などは、経済成長のための社会や文化の前提条件をすでに整えた国家にとっては成長につながる政策かもしれない。だが、これらの土台を欠いていたり、社会の結束が弱かったり、賄賂が横行していたりする環境では、そうした普遍的改革は実を結ばないことが多かった。

たとえどんなに効率的な改革であっても、貧しい国家を一夜で経済的に豊かな国に変えることはできない。なぜなら発展途上国と先進国の隔たりの多くは、何千年、何万年にわたる長い過程に根ざしているからだ。

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