「CX-60/CX-8」比較試乗でわかった圧倒的進化 車重は近くても軽快かつ「ハリのある」走りに

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2022年春、筆者は各パワートレインを搭載するCX-60のプロトタイプを、マツダ美祢自動車試験場(山口県美祢市)で試乗している。

その際、商品開発を統括する専務執行役員の廣瀬一郎氏をはじめ、各領域の担当役員や開発の現場で汗を流してきたエンジニアたちから、「CX-60を機に、マツダが再び大きく変わろうとしている」という思いをじっくりと聞いている。

試乗の際、美祢試験場では元レーシングコースである高速コーナーに加えて、山間部のワインディングをイメージした周回路も走行したが、どんなシーンにおいてもその走りには好感触を得ていた。

しかし、今回の公道試乗を通じて、クルマは「リアルワールドで体験することがもっとも大事だ」ということを改めて感じた。同じ“好感触“でも、テストコースと実際の公道とでは、感じられるものが違う。

気になるPHEV他は12月の発売

今回の試乗会では用意がなかったプラグインハイブリッドの「e-SKYACTIV PHEV」についても、近いうちに公道で試乗してみたいと思う。モーター制御が大きく印象を変えるプラグインハイブリッド車は、マイルドハイブリッド車以上にテストコースと公道とで印象が変わる可能性がある。

なお、発売時期は、e-SKYACTIV D搭載モデルが2022年9月15日。e-SKYACTIV PHEVなど、他のモデルは2022年12月以降に発売予定だ。

試乗会会場に展示されたオプションパーツ装着車
試乗会会場に展示されたオプションパーツ装着車(筆者撮影)

最後に、2022年8月末時点での受注状況を紹介しておこう。8月末時点での受注台数は6400台で、内訳はXD-HYBRIDが45%、XD(SKYACTIV-D 3.3L)が36%、25S(SKYACTIV-G 2.5L)が14%、そしてPHEVが5%。駆動方式は4WDが61%、FRが39%だという。

人気の外装色は、ロジウムホワイトプレミアムメタリックが全体の46%を占め、以下はマシーングレープレミアムメタリックが15%、ジェットブラックマイカが13%と続く。購入層は、20代以下(14%)、30代(20%)、40代(27%)、50代(23%)、60代以上(16%)となっており、幅広い世代での需要があることがわかった。CX-60を街中で頻繁に見るようになる日も近そうだ。

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桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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