40代で「親が大嫌い」と呟き世界が変わった人の話 ため込んだ呪いを口にしたら扉が開かれた

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「親が嫌い」と言えないばかりに苦しんできた女性。口にしてみて気づいたこととは?(写真:光世さん提供)

「親のことが嫌い」と言ってはいけないし、思ってもいけない。ひとたび口にすれば、周囲から「育ててもらったのに、恩知らずだ」と非難されるだろう。

そんな無意識の恐れから、親に対する負の感情にフタをして生きる人は多い。

でも、思い切って「親が嫌い」と口にしてみたら、世界の見え方が変わった。光世さん(仮名、40代)は、そう感じている。

両親ともに学校の先生で、厳しく育てられた光世さんは、ずっと「親から愛をもらわなかった」と思って生きてきた。けれど、昨年母親を亡くしてから半年ほど経った頃、見方が変わったという。

いまは東京近郊の街で、夫とふたりの子どもと暮らす光世さんが経験してきたことを、聞かせてもらった。

テストは100点、将来は先生になるのが「当たり前」

「親は、私の学校での成績にしか興味がない。私の悩みなんて、どうでもいいんだ」

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小さいときからそう感じていた。「今日学校でこんなことがあったよ」と話しても、「最近、友達とこんなことがあって、どうしよう」などと相談しても、母から返ってくるのは「それはいいから、勉強に集中しなさい」という答えばかりだった。親に本音を話したり相談したりすることはなくなり、反抗することもないまま、大人になった。

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