3代目シエンタが「犬との関係」にこだわるワケ ライフスタイル系を“一歩踏み出した"世界へ

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アクセサリーやドレスアップなどの用品分野では「これまでとは大きく違い、車両開発の初期段階から用品開発も連携した」(用品企画担当者)という。近年、ミニバン、SUV、軽自動車などでは一般的になってきた開発手法を、シエンタでも採用したというわけだ。

用品企画担当者は「シエンタを単なる箱として見るのではなく、(シエンタという製品としてしっかりとした)ベースがあって、そこから用品によっていろいろな方向に広がっていくイメージ。だたし、(1つの方向で)突き抜けていくということはなく、それぞれの個性を大切にした」と用品を活用したシエンタの楽しみ方を表現する。

おすすめの用品を聞くと、「FUN×FUNシートカバー(フロマージュ)」との答えが返ってきた。

シート背面に機能性を持たせた「FUN×FUNシートカバー」
シート背面に機能性を持たせた「FUN×FUNシートカバー」(筆者撮影)

このシートカバーは、背面に多彩な収納があるほか、助手席の背もたれ上部にはスリットがあり「1人乗車の際、スマホなどをしまうのに便利」だという。実際、着座して体感したが、たしかに便利そうだった。

近年、アフターマーケット品でも収納を重視したシートカバーが出回っているが、トヨタは用品においても自社開発として利便性と品質にこだわった形だ。

価格は195万~310万8000円

今回は試乗の機会はなかったが、走りについても前出の新郷氏に聞いた。

新郷氏は「(新世代車体の)TNGAは2015年のプリウスから導入したが、TNGA導入はシエンタがもっとも後になっており、(結果的に走りは)先代モデルと比べてワンランク上になっている」と説明する。

パワートレインは、1.5リッターのガソリンとハイブリッドの2種類で、ハイブリッドには後輪をモーター駆動するE-Fourを設定。安全・安心の領域では、高度運転支援システムのトヨタセーフティセンスや、トヨタチームメイトの先進機能を拡充している。

ガソリン車のエンジンルーム
ガソリン車のエンジンルーム。1.5リッターエンジンを搭載する(筆者撮影)

また、トヨタセーフティセンスの単眼カメラと新たに追加した後方カメラを利用するドライブレコーダーも設定した。前方のドライブレコーダーは、上位グレードの「Z」と「G」で標準装備としている。

価格は195万円(X/ガソリン/FF/5人乗り)から、310万8000円(Z/ハイブリッド/E-Four/7人乗り)と幅広い。月販基準台数は8300台だ。

トヨタによると、2代目シエンタの販売実績は2018年(9万4000台)、2019年(11万9000台)、2020年(7万2700台)、2021年(5万7800台)、2022年1~7月(2万8100台)だから、先代と同等レベルの販売を見込んでいることになる。

半導体や部品供給の遅延などから、自動車生産がしづらい状況が続いているが、どれだけの実績を残せるのか。どれだけの「ワンちゃんとの関係」が生まれるのかもあわせて、注目していきたい。

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桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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