3代目シエンタが「犬との関係」にこだわるワケ ライフスタイル系を“一歩踏み出した"世界へ

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それが今回のワンちゃんに代表される、“相棒”というシエンタの世界観だ。そして、技術的にも、ボディの大きさや使い勝手を追求した。

ボディサイズについては、2代目シエンタのユーザーや販売店から「これ以上大きくしないでほしい」という声が多かったという。そこで、全長4260mm(先代モデル比±0)、全幅1695mm(同)、ホイールベース2750mm(同)と、先代とまったく同じに設定。そのうえで、「2列目の空間がもっとほしい」という市場の声を受けて、室内高を先代比20mm増に。全高も、その分が上昇している。

車内の広さや使い勝手の道をアピールする展示が実施されていた
車内の広さや使い勝手のよさをアピールする展示が実施されていた(筆者撮影)

前後方向の広さについては、前後シートの距離を示す“前後カップルディスタンス“を先代比80mm増とし、2列目シートのひざ前スペースに買い物カゴがそのまま置けるように工夫した。また、全高を上げたことに加えて、車体上部をよりスクエアな形状「シカクマル」としたことで上側方ヘッドクリアランスが60mm増となり、車内が広々とした感じを受ける。

実車に触れてみて、先代モデルからボディサイズを極力キープしつつ、車内空間の利便性を上げたことが実際にわかった。

2代目で熟成された製品特性

先代に当たる2代目シエンタは、初代と比べると大幅なイメージチェンジを行っていた。丸いヘッドライトを切れ長にし、クールでスポーティな印象としたのだ。

2代目は2015年に発売されたが、その後2020年春の時点で筆者がトヨタに問いかけた際、「世代を超えて、お客様のさまざまなライフスタイルをサポートする『ユニバーサルでクールなトヨタ最小ミニバン』として開発。アクティブでありながら、世代を超えて、誰もが快適に過ごせる空間を提供する」という製品コンセプトを改めて説明された。

2代目「シエンタ」のエクステリア
2代目「シエンタ」のエクステリア(写真:トヨタ自動車)

また、2代目モデルは販売開始から年数が経っても安定的な売り上げを維持したことも大きな特徴だった。

その理由については、「リーズナブルな価格で3列シートコンパクトミニバンという独自のポジショニングができていること」「ヤングファミリーやミドルシニア層などと顧客層が幅広いこと」、さらに「2代目販売初期からトヨタ全チャネル併売車であったこと」などを挙げていた。

そのほか、2代目のマイナーチェンジで導入した2列シートモデルが、コロナ禍となりデイキャンプなどライフスタイルの変容がユーザーの間で広まり、シエンタの販売を下支えしたという。

今回の記者発表会では、出演したタレントが3代目シエンタの車内後部をフラットにした状態で、小さなテーブルの上にパソコンを置くなど車内をアレンジし、その空間にワンちゃんも一緒にいる使い方を訴求した。

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