「喜多方ラーメン坂内」23区内出店を再開した勝算 バングラデシュ出身の亀有店店長の意気込み

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麺食直営営業部部長の上り濵龍次氏
麺食直営営業部部長の上り濵龍次氏。大阪出身で、大阪発祥のラーメンチェーンでの経歴も。「喜多方ラーメン坂内」の展開拡大において、関西圏は重要と語る(撮影:梅谷秀司)

出店についてはこれまでは関東中心だったが、今後は23区内、郊外、さらに関西圏や北関東、東北も視野に5年間で35店舗を出店する。店舗数の拡大に時間をかけるのは、人材教育に重きを置いているためだそうだ。

「マニュアルでは伝わらない、本部の思い、気持ちを共有してもらうのに時間がかかります。当社では理念研修を定期的に行っているほどです」(上り濵氏)

とくに直営店はモデル店として人材育成の場ともなり、FC展開において重要な位置を占める。現在は63店舗中、21店舗が直営店だが、今後拡大に向け、直営も14店舗増やす予定だ。 

バングラデシュ出身の店長

6月に出店した亀有店も直営店。前述したとおり下町らしい賑わいがある亀有で、どのような役割を担っているのだろうか。

店長を務めるスワデキン・シラジュス氏にその意気込みを聞いた。

「喜多方ラーメン坂内」亀有店、店長のスワデキン・シラジュス氏
スワデキン・シラジュス氏。チェーンの理念を深く理解し、手作りのおいしさと温かい接客で亀有店の客を迎えている(撮影:梅谷秀司) 

シラジュス氏はバングラデシュ出身で、2009年の入社。初の外国人店長として抜擢され、8年間、さまざまな店で店長を務めてきた。

上り濵氏によると、同チェーンでは採用において日本人、外国人の差はないという。逆に言葉のハンディーを勘案されることもないため厳しいが、それでも直営の店長22名中、3名が外国人だ。社としても将来の人口減少をにらみ外国人の採用は重要と考えており、今後も外国人店長は増えていくと見ている。

シラジュス氏は店長歴も長く、店や人に対する情熱があることを見込まれ、亀有店店長を務めることになったそうだ。

「店長のお話をいただいたとき、すぐに『やらせてください』と手を挙げました。住まいが近いという理由もあったのですが(笑)、店の周囲にラーメン店が多く、やりがいがありそうだと思いました。オープンして2カ月の印象は、話しかけてくださるお客様が多く、コミュニケーションが温かい土地柄ということ。すでに常連客もでき、安堵しています。アルコールやサイド商品が非常に出る店舗で、今後新たな挑戦ができる店舗だとも思います。お客様に喜んでもらいたい、安くておいしいものでお腹いっぱいになっていただきたい。そのために頑張りたいです」(シラジュス氏)

「喜多方ラーメン坂内」亀有店の店内
カウンターとテーブル席を両方設けた、広い店内(写真:麺食)

亀有店はカウンター、テーブル席合わせて34席を備える、23区内の店としては大きな店舗だ。前述のとおり30年以上餃子の王将が守ってきた立地。自身も親の代から地元で商売を営んでいる家主から「次も地元に根付いてくれる企業を」との要望があり、数件の立候補の中から同社が選ばれたそうだ。店舗運営にも地元の客とのコミュニケーションは欠かせないだろう。

【2022年9月5日15時35分追記】初出時、店舗の名称に誤りがあったため、修正しました。

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