創薬の「そーせい」、大型買収の狙いとは? パイプライン多く中長期の成長力を強化

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「世界に通用する強烈な基盤技術が必要」と田村眞一社長(撮影:風間仁一郎)

2014年3月期の売上高20億円の創薬ベンチャー、そーせいが、480億円を投じ英国の創薬ベンチャー、ヘプタレス社を買収した。

ヘプタレスの業績は14年12月期で売上高9億円、営業損失21億円。典型的な研究開発型のベンチャーで、研究開発費が先行しているために営業赤字が続いている。だが、パイプラインと呼ばれる医薬品候補物質は自社開発9つのほか、大手製薬会社との共同開発も複数ある。加えて、医薬品候補物質のスクリーニングサービス事業ではノバルティスやアストラゼネカ、武田薬品など世界の大手とも契約を結んでいる。

2026年のCOPD特許切れ後をにらむ

そーせい自身も研究開発型の創薬ベンチャーとして営業赤字を計上してきたが、11年の緊急避妊薬ノルレボ錠に続いて、ノバルティスに導出した慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬2種が日本とヨーロッパで販売開始となり、12年3月期からロイヤルティ収入が計上されるようになった。15年3月期からはIFRSの任意適用もあって研究開発費の大幅軽減があり営業黒字化、16年3月期からは、同薬のアメリカでの販売も開始となる予定で、収益の大幅拡大が見込まれている。

 ただ、COPD治療薬は2026年で特許が切れるので、その前に新たな収益柱を育てておく必要がある。そのため、自社でもフランスから導入した口腔咽頭カンジダ症治療薬の国内臨床3相を進行中だ。また、11年にナノ粉砕技術を持つアクティバスファーマ、14年12月には農工大発ペプチド創薬のJITSUBO社を子会社化し、パイプラインの強化に努めてきた。

しかしそれでも、「世界に通用する強烈な基盤技術が必要だと思っていたが、これまではまだちょっと足りなかった」(田村眞一社長)。それが、今回の買収でやっと自信がついたという。

ヘプタレスの基盤技術「StaR」は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)と呼ばれる、細胞外の刺激を細胞内に伝えるタンパク質を、創薬ターゲットとしてスクリーニングする独自の技術だ。

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