このことからわかるように、エコノミスト、起業家、経済発展に関心のある人は、必ずしもベンチャー企業の育成強化を強調しないほうがいい。それよりも、既存の事業や経営者が中規模から大規模へと事業転換をはかるための支援を重要視しなければならない。
言い換えると、スタートアップ企業の数を増やすよりも、持続的に大きな成長が見込める既存の企業がしっかりと確実に成熟するほうが重要なのだ。
どうしたら中堅企業を大企業に変えられるのだろうか?
これについて現在、多くの経済開発担当者が自問し、答えを出そうと熱心に取り組んでいる。特にフロリダでは、エコノミックガーデニングという方法でこの課題に取り組み、目覚ましい成果を上げている。カウフマン財団によると、エコノミックガーデニングとは、起業家が経済を活性化させるという考えをもとにした経済発展モデルのことだ。
このモデルでは、地域にある既存の企業を支援することで雇用を創出しようとする。またエコノミックガーデニングでは、起業家が大きく考える能力を発揮できるよう促し、彼らの計画が実現するためのリソースを提供する。
大きく考えて世界を変える
小さくまとまった考えから大きな考えをもてるようにするのは非常に難しい。しかし、そうするだけの価値はある。それどころか、人類の偉業はすべて大胆で大きな発想から始まったのだ。
大きく考えることを促すアメリカ公民権運動のリーダーベンジャミン・E・メイズの感動的なことばが、自分たちとは違った世界で生きることを夢見るモアハウス大学の若い学生たちを鼓舞しなかったら、私たちは現在どうなっているだろう?
もし、そうでなかったとしたら、現在世界で最も崇拝されている偉人のひとり、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアは、故郷のジョージア州アトランタで一介の牧師に甘んじていたかもしれない。キング牧師は、私たちの世界を根底から変えた展望を抱き、その夢を叶えようとはしなかっただろう。
大きく考える能力と勇敢さをもった人物が栄光へ通じる道を切り開くのだ。
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