起業に失敗する人と大成功する人を分ける4要点 大きく考える能力と勇敢さがないと到底勝てない

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4. ノウハウがないから

私は『シャーク・タンク』というテレビ番組が大好きだ。この番組で起業家は、投資家(シャーク)たちに自分のビジネスアイデアを売り込む。そして、シャークはプレゼンした会社に出資するかを決める。番組に出演する起業家は投資資本だけでなく、シャークたちの貴重な経験も求めている。

ある回で、シャークは起業家に、製品を小売りで販売するのではなくちょっと手間がかかるが、ライセンス化してはどうかと提案した。その起業家は自分の製品にライセンスを与えることなど考えてもいなかったが、この戦略ならばすぐに利益が出て、リスクも最小限にできるだろう。他の多くの場合と同様にこのときも起業家には、ビジネスアイデアの可能性を最大限発揮するために、経験豊富な起業家の知恵と後押しが必要だった。

こうしたハードルを越えるためには、そのレベルに到達するために必要なものを理解し、大きく考えられる人たちとのさまざまなつながりを築き上げなければならない。同様に、そうした人たちはアイデアを吟味して改善する手助けをしてくれる。リンクトインの設立者リード・ホフマンは最近、英国のケンブリッジで野心にあふれる起業家の一団に向けてこう語った。「できるだけたくさんの人と話すことです。必要なのは、あなたのアイデアのまちがいを指摘してくれる人だ。そうした人たちから学べるのです」

大きく考えることが最も役立つところ

能力を発揮できなかったビジネスによる価値の損失のほうが、倒産したビジネスの価値の喪失よりもずっと大きい。私は声を大にしてこのことを言いたい。この主張を裏づける説得力のある統計がいくつかある。最近、ジョージア州テクノロジー協会(TAG)が次のような発表をした。

<ユアエコノミー・ドットオーグというウェブサイト(ダン・アンド・ブラッドストリートのデータをもとに、エドワード・ロウ・ファウンデーションが作成)によると、2000年から2007年までに、アメリカではステージ1(従業員数が1から9人)の企業が最も新規雇用の創出を担ったという(約570万人)。ところが、この期間にステージ1の会社による新規雇用は新規企業1社あたり1.5人に対し、ステージ2(従業員数が10から99人)の企業は26人になる。同サイトによると、2000年以降、ステージ4(従業員数が500人以上)の企業は実質1件も新規雇用を創出しておらず、約250万人の失業者を生み出している>

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