間寛平73歳「引退を翻意させた妻からの言葉」 吉本新喜劇GM就任と今後の人生を語る【前編】

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――いままでに奥様に反対されて諦めたり、考えを変えたりしたことはありますか?

まったくありません。言い合いになったりすると僕がすねることをわかっているから、嫁が先に折れるんです(笑)。家であかんって言われてめっちゃすねてぶすっとしてると、いつも嫁のほうが諦めて話しかけてきます。

――仕事のこともずっと相談してきたんですね。

1980年代後半に、吉本興業をやめて大阪から東京に行くと話したときも、はじめは小学生の子どもがいるのに生活どうするのって困惑していましたけど、最終的には賛成してくれて。あてもなく東京に出て、島田洋七さんに北野武さんを紹介してもらって、たけし軍団に入れてほしいと話をしにいったりしたんですけど、嫁がもともと萩本欽一さんの追いかけでかわいがってもらっていたので、萩本欽一さんと事務所の社長に会わせてくれました。

そのつながりから東京の事務所を紹介してもらって所属することになって。ところが、最後の舞台になるうめだ花月の新喜劇に出演したときに吉本興業に引き止められました。それでいろいろあって結局、当時東京進出したばかりでまだ芸人がいなかった吉本興業の東京事務所に入ることになったんです。そんな好き勝手なことばかりやっていくもんだから、いつも嫁は尻拭いをしながらついてきていました。

引退までにやらなくてはいけないこと

――寛平さんにとって奥様はどういう存在ですか?

なにか相談すると、こんなふうにやりなって必ずポジティブに言ってくれて、何事においてもやる気にさせてくれる人ですね。70歳を過ぎると、もう歳だからきつい、できないって逃げる人もいますけど、ああいう言葉を僕には決して言わせないようにしてくれています。朝昼晩の食事はどんなにしんどいときでも必ず食べさせるんです。それくらいしっかり日々のパワーをつけてくれています。

――いま奥様から言われていることはありますか?

あんたはほんま居心地のいい楽なところにいるな、同じ番組でさんまちゃんはあれだけしゃべってあんた「アヘアへ」だけってギャラ泥棒やで、とか。朝早くから言われてますわ(笑)。

でも、新喜劇GMに就任してからは、若い子の話をちゃんと聞いて、寄り添ってあげなさいって。引退するのも、あんたを信じて頼っている新人の子たちにちゃんと道筋をつけからじゃないとダメと言われてて、それはそのとおりだと思っています。

――お二人でひとつの人生ですね。

嫁はものすごく僕のこと好きですから。僕が死んだらすぐあとを追うって言っているんですけど、それはうそですよ(笑)。めっちゃ元気ですから、そのあとも長生きすると思います。

(記事の後編は9月2日に配信予定です)

武井 保之 ライター

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たけい・やすゆき / Takei Yasuyuki

日本およびハリウッドの映画シーン、動画配信サービスの動向など映像メディアとコンテンツのトレンドを主に執筆。エンタテインメントビジネスのほか、映画、テレビドラマ、バラエティ、お笑い、音楽などに関するスタッフ、演者への取材・執筆も行う。韓国ドラマ・映画・K-POPなど韓国コンテンツにも注目している。音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク系専門誌などの編集者を経て、フリーランスとして活動中。

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