キヤノンは10拠点が操業停止、再開メド立たず。ただ、生産分散化で影響は限定的か【震災関連速報】
キヤノンの東日本巨大地震による影響は、東北・関東の3事業所/5グループ会社に及ぶ。それぞれ、停電や建物の一部損壊などが発生しており、操業停止の状態だ(14日、13時時点)。
宇都宮事業所(栃木県宇都宮市)の宇都宮工場、光学機器事業、工学技術研究所
取手事業所(茨城県取手市)
阿見事業所(茨城県稲敷郡)
キヤノンプレシジョン(青森県弘前市)
キヤノンオプトロン(茨城県結城市)
キヤノン化成の岩間工場(茨城県笠間市)
福島キヤノン(福島県福島市)
キヤノンモールド(茨城県笠間市)
特に影響が大きいのが、宇都宮事業所と福島キヤノンの工場。一眼レフやコンパクトデジタルカメラのレンズを生産する宇都宮工場では、建物の一部天井が崩れ落ちるなどの被害があった。衝撃で転ぶなどして、15名程度の従業員が捻挫などのけがを負った。壊滅的な状況ではないが、再開までには3日以上の日数を要する可能性がある。
インクジェットプリンター部品などを手がける福島工場でも、天井が崩れるなどの被害があった。ただ、こちらも壊滅的な状況ではなく、けが人も出ていない模様。
操業再開のメドが立っていない状況のため、一眼レフデジタルカメラなど主力製品の生産への影響が懸念される。「影響はゼロではないだろう」と同社は説明する。が、たとえば、カメラレンズはキヤノンの主力拠点である大分工場でも生産している。
今回の地震の影響で操業停止が1カ月以上になる場合は、被害を受けていない拠点を代替地として生産する、とキヤノンは表明。全般に生産の分散化が図られていることから、業績へのマイナス影響は、現時点ではそれほど大きくないと見られる。
(梅咲 恵司 =東洋経済オンライン)
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