就活生が「タクシー運転手」に新卒カード切る理由 都内の新卒採用者数はこの10年で約20倍に
「キツい、危ない、稼げない」。そんなタクシー運転手のイメージが、若者の間で変わりはじめている。
新型コロナの感染拡大に伴う移動制限によって、タクシー業界は大きな打撃を受けた。2020年度のタクシー業界全体の営業収入は2019年度に比べて4割減の9100億円となり、運転手の数も1割減の24万人強となった(国土交通省調べ)。2010年度と比べて営業収入が5割減、運転手数も4割近く減っている。
そんな逆風の中、新卒でタクシー運転手になる若者が増えている。都内の主要タクシー5社(日本交通、国際自動車、大和自動車交通、帝都自動車交通、日の丸交通)合計の新卒採用者は2022年491人と、この10年で約20倍に増えている(下図)。全国では新卒採用者数が924人に達している(2021年3月現在、全国ハイヤー・タクシー連合会調べ)。
「タクシー運転手=おじさん」はもう古い
都内のタクシー各社が運転手の新卒採用を始めたのは10年ほど前から。それまでは、管理部門での新卒採用は細々と行っていたものの、運転手として採用する動きはなかった。当時を振り返り、ある大手タクシー会社の採用担当者は、「タクシー運転手はおじさんがやる仕事というイメージがどうしてもあるので、若者を募集したところで来てくれるわけがないという諦めがあった」と語る。
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