東大生がやった習い事1位の水泳のメリットとは 水泳経験のある東大生の割合は一般の2倍とも

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これらの回答から、水泳が直接的に知能のアップにつながっているというより、水泳で得た「忍耐力」や「集中力」が、勉強など人生のあらゆる場面で役立っていると言えそうです。

実際に私も水泳を小学4年生から高校生までほぼ毎日やっていたのですが、この時期はクラスの誰よりも「集中力」「目標設定力」「あきらめない力」はあったと自負しています。そしてこれらの力は、学校生活だけでなく人生のあらゆる場面で役立ってきました。

東京大学の深代千之教授は「勉強と運動とは相関関係にあり、疫学的に双方が関係しているというデータがある」と語っています。運動では「走る」「投げる」「打つ」「跳ぶ」などの色々な動作を脳に記憶させ、実際にスポーツを行う場面で引き出して使います。

勉強では、「数学」の応用問題などは、脳に記憶させたいくつかの公式の中から適切なものを引き出し、解を導きます。運動も勉強も、脳の働きはよく似ているのです。「運動は身体で行い、勉強は頭で行う」という固定観念は、子どもの可能性を潰してしまう恐れがあります。

また、全身運動である水泳では筋肉が鍛えられ、体力がつきますが、“体力がある人ほど学力が高い”という研究結果も多く出ています。

体力と学力には相関関係がある

アメリカのカリフォルニア州で、小・中・高校生約88万人を対象にした「体力」と「学力」の関係性を分析した研究が行われました。

その結果、年齢に関係なく、体力測定の成績が良い子どもほど、学力テストの成績も良い傾向にあることがわかりました。また、その関連性は男子より女子のほうが強いという結果も出ています。女子にはスポーツを習わせてあげると、学力が大きく上昇するかもしれません。

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