北海道「月寒あんぱん」人気アニメ商品で得た成果 明治39年に札幌で創業した老舗和菓子屋の挑戦

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月寒あんぱんは、こしあん、黒胡麻あん、黒糖あん、抹茶あん、かぼちゃあん(上から時計回り)の5種類(写真:ほんま)

外部とのコラボレーションで、知名度向上や新たなファンの獲得に手応えを感じている本間さん。今後もコラボレーションには挑戦したいと語る一方で、手当たり次第に協業するつもりはないと断言する。

「JALスカイ札幌さんとも、ゴールデンカムイとも、なぜコラボするのかといった理由やストーリーが明確で、そこに共感してくれる方がいたからこそ、うまくいったのでしょう」(本間さん)

「まだ生き残っているんだね」

今後は、今まで支えてくれた常連客やファンを裏切らないお菓子を作り続けることを第一に考えたい、と本間さん。そして、一人でも多くの新しいお客様に、昔ながらのシンプルなお菓子の魅力を知ってもらいたいとも話す。

老舗和菓子屋ほんまが札幌市豊平区に構える「月寒総本店」(筆者撮影)

「あんこ菓子は、トレンドのお菓子ではないかもしれません。『まだ生き残っているんだね』と言われて落ち込むこともあります。ですが、そこでへこたれないのは、まだ当社のお菓子を食べたことが無い方がたくさんいるはずだから。道外はもちろん、札幌市内にも月寒あんぱんを食べたことがない方は相当数いるでしょう。

そういった方々に、シンプルなお菓子の魅力を知ってもらうための手段として、話題性のあるコラボは有効だと考えますし、今後も挑戦していきたいです。昔からの製法を守りながらも商品の見せ方を変えることで、多くの人に知っていただけるのかなと思います」(本間さん)

本間さんが社長に就任して16年。「月寒あんぱんの歴史的価値も含めて、後世に残しておきたい気持ちが日に日に強くなっている」と目を輝かせる。

株式会社ほんま代表取締役社長の本間幹英さん(筆者撮影)

今後の新商品開発やコラボの予定については、具体的な内容については構想中とのこと。ただ、若年層をはじめとした新規顧客を獲得するためにより認知度を高めたいとのことなので、今後もゴールデンカムイのような有名作品とのコラボが見られるのではないだろうかと筆者は予想する。また、月寒あんぱんは創業の地、札幌市や工場のある恵庭市のふるさと納税返礼品にも採用されている。

幼少期から月寒あんぱんの大ファンだった筆者としても、明治生まれの月寒あんぱんが令和の日本にどう受け入れられていくのか、これからも注視していきたい。

中村 砂織 ライター

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なかむら さおり / Saori Nakamura

1993年生まれ。北海道札幌市生まれ、札幌在住。北海商科大学商学部観光産業学科卒業。中国語専攻。
卒業後、3社で正社員として勤務。ホテルではフロントスタッフとして勤務をし、旅行業界では訪日旅行手配事業・Webサイトの中国語翻訳に携わる。現在も正社員として勤務をしながら取材・執筆を行う。主な執筆ジャンルは旅行・食。

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