日向神話の舞台を旅して見た神々しい3つの聖地 天から神様が降りてくるのにふさわしい場所

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霧島連山の火口湖、御池(おいけ)から望む高千穂峡

天から神が降りてくる。そんなときには、どんな場所がふさわしいのだろうか。やはり天に近い高い山だろうか。その土地の様子がよくわかるよう、見晴らしがいいという点も重要だろう。

アマテラスの子のオシホミミが地上に降る(くだる)こととなった。しかし、国譲りの交渉には長い年月がかかっており、その間にオシホミミには子が生まれていた。ホノニニギという。このホノニギギが父のオシホミミに代わって葦原中国(あしはらのなかつくに)に降ることとなった。アマテラスの孫、つまり天孫であるので、この神話を「天孫降臨神話」と呼ぶ。

神様が地上に降り立った 天孫降臨の地

天孫ホノニギギは、「竺紫の日向の高千穂」に天降ったとされる。高千穂については、稲穂がにぎにぎしく実るという意味の名を持つ神が降臨する神話的な空間と考えられるが、古くから有名な伝承地が二つあった。一つは、宮崎県の高千穂町あたりだとする説、そしてもう一つは宮崎県と鹿児島県の県境にある霧島連山であるとする説である。いずれも火山活動によって作られた神秘的な景観が印象的だ。

霧島連山の高千穂峰は、標高1574メートル。その山頂にはいつの頃からかホノニギギが天から持ってきたという「天の逆鉾」が突き立てられている。

高千穂河原から登山道へ。高千穂峰は、登山の初心者向けの山と言われるが、滑らない靴やストック、そして急な天への対策など、準備はしっかりしておきたい。山頂まで2時間ほどの登山だった。

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