私は常々、政治家ほど庶民の暮らし向きに敏感であってほしいと願っているのですが、仮にも一国の首相が自分の周囲のお金持ちだけを見て「景気が回復している」と考えているようでは、日本の未来は少なくともあと数年は暗いものになるだろうと考えざるを得ません。
三井:今回は久しぶりにマーケットの見通しについても触れられているそうですね。中原さんが外国人投資家の動向について書かれているので、なんか懐かしい感じがいたしました。
次のマーケットの転換は、2015年から2016年前半か
中原:大きな流れがわかっている経済の予想とは異なり、マーケットの予想は殊のほか難しいので、拙書ではできる限り相場の予想を述べないことにしています。
ですから近年の私は、『2015年までは通貨と株で資産を守れ!』(フォレスト出版・2012年3月刊)を最後に、拙書の内容にはできるだけマーケットの予想を入れないことにしてきました。2013年~2014年の拙書を振り返ってみても、マーケットに関しては「エネルギー価格は下がる」「ドル高になる」くらいしか述べていないと思います。
ところが、今回の新刊『これから日本で起こること』を書くに当たり、出版社サイドから『2015年までは通貨と株で資産を守れ!』での円相場・株価・金相場の予想が非常に良かったので、「何としても本書にも入れてほしい」という強い要望がありました。
そこで本書にかぎって「円安はどこまで進むのか?」と「外国人はいつ日本株を売ってくるのか?」の2本立ての予想を最後に持ってくることにしたわけです。おそらく、このような試みは、拙書にとって最後のものとなるでしょう。
やはり、マーケットの予想は不確定な要素が多すぎるので、新しい情報が入ってくるたびに適宜修正を加えていく必要があります。そういう意味では、書籍はマーケットの予想には適していないと考えています。
しかし、それでも私がマーケットの予想を新刊で書いたのは、『2015年までは通貨と株で資産を守れ!』を書いた時のように、私自身がマーケットの転換点が2015年~2016年前半にやってくると感じているからなのかもしれません。
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