バッテリー搭載電車、通勤客の利点とは?

<動画>英国でボンバルディアが試験走行

この独立した電源を持つ電車は、5週間以上にわたる試験走行を行った。ロンドンから郊外へ10マイルの線路を走行するものだ。

この電車の電源は、車輛上の架線である。電線から取り込んだ電気を集電器に取り込み、バッテリーに電気を貯めておき、モーターで走行する。

一見すると普通の通勤電車

これが、イギリス国鉄の50年以上の歴史の中で、初めてのバッテリー搭載型旅客列車となった。一見すると普通の通勤列車のようで、郊外まで時速95kmで走行できる。バッテリーによる走行なので、走行は滑らかかつ静か。何よりディーゼルエンジンに比べてはるかに環境にいい。

ネットワーク・レールは、次の50年以内に、環境への負荷と走行費用を、20%削減することを宣言した。騒がしく、空気を汚すディーゼルエンジンから離れ、電力化に向かっているようだ。

しかし、バッテリー化にはまだ課題が残されている。ネットワーク・レールの技術主任ジェームス・アンブロース氏は、次のように話す。「全ての線路を電化する必要がないのであれば、電化が必要ない部分で費用を節約できます。例えば、橋、トンネル、陸橋などです。こういった場所の電化工事には多大な費用がかかるので、大きな節約になります。人件費だけでなく、維持費や管理費の面からもそのように言えます」。

バッテリー搭載型列車の最大のアピールポイントは、環境性に優れている点だが、毎日の通勤に列車を利用する人々にとって、それは何の関係も無いことだ。ボンバルディア・トランスポーテーションの製品開発主任チャールズ・ツウォート氏は、次のように通勤客のメリットを話す。

「架線から電力を供給するシステムでは、停電の恐れがあるのです。しかし、この電車は、バッテリーに蓄電できるので、次の駅まで走行できます。そうすれば乗客は電車を降りて、帰宅できます。おそらく、全ての乗客をターミナル駅まで送り届けることもできるでしょう。また、これにより、問題が生じた路線から、別の路線に乗り換えることもできます。乗り換え先の路線が問題のある路線かもしれませんが」。

ネットワーク・レールが次に計画しているのは、イギリス国内のどの路線で利益が得られるかだ。近い将来、このような電車が、あなたの近くを走る日が来るかもしれない。

ナレーションは英語です(音量にご注意ください)
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