「82歳の講師」が教壇に立つ深刻すぎる教員不足 教員の自己犠牲で成り立つ公立学校は崩壊寸前

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教員の過酷な労働実態が広く知れ渡ったことを受け、文科省や大学、教育委員会は教職の魅力を伝えようと奮闘してきた。しかし、学生は教員の仕事に魅力を感じていないわけではない。

教職と迷った末に民間企業への就職を決めた都内の大学に通う女性は、教育実習で「忙しすぎて勉強する時間がないと感じた」と語る。別の学生も「授業準備の時間が取れない。若い先生が遅くまで帰れないのを見て、結婚や出産ができるのか不安になった」と話す。多くの学生にとって、授業を全うできないことや働き方への不安が障壁となっているのだ。

負の連鎖の源流

教員の多忙化が志望者を減少させ、教員不足をさらに加速させている。負の連鎖の源流は、国が決める教員定数の改善が長きにわたり見送られてきたことにある。

日本の学級規模はOECD(経済協力開発機構)加盟国中、小学校では3番目、中学校では2番目に大きい。59年以降、学級規模を50人から段階的に縮小する定数改善計画が実施されてきた。

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