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安倍氏銃撃で誰もが思った「要人警護」の不十分さ 「シークレットサービス」とは何が違うのか

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  • 吉川 圭一 グローバル・イッシューズ総合研究所代表
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ヒンクリーが科されていた制約は以下のようなものだった。
・飲酒
・銃器、弾薬、その他の武器の所持
・レーガンの遺族、ジョディ・フォスター、彼女の家族らに連絡すること
・暴力的な映画、テレビ番組などの視聴
・ブラウザーの検索履歴の消去

特に最後は重要である。最近は日米共に検索履歴が犯罪捜査の重要証拠になりつつある。拙著『サイコ型テロへの処方箋』の中で主張したように、個人情報保護との兼ね合いが難しいものの、検索履歴がわかれば、重大犯罪を計画している人物の身柄を事前に抑えることが容易になる可能性がある。

安倍元首相銃撃事件の容疑者も手製の銃器を使ったようであるが、ネット上で作成方法を学んだ可能性が高い。個人情報保護法の問題はあるものの、そうした前の段階で察知できなかったものだろうか。

日本で規制強化の議論は必要か

なお、ヒンクリーは今年6月末に成立したアメリカの新しい銃規制を支持しているそうである。精神障害者が銃を入手できなくするのはいいことだという言い分だ。6月末の銃規制法案では確かにメンタル・ヘルスの強化に関する支援も含まれている。銃購入者の身元確認の強化は言うまでもない。

それだけではなく、危険人物と見なした人物から銃器を取り上げることができる「レッドフラッグ法」の全州での制定への支援も含まれている。同法は、家族や同僚、法務執行機関、メンタルヘルスの専門医などが、自分や他の人に危害をもたらす兆候のある者の銃器保持を禁止する命令を裁判所に申請できるというもので、アメリカではいくつかの州で成立している。

警備強化ももちろんだが、基本的人権を侵害しない範囲で、検索履歴の調査や日本版レッド・フラッグ法の制定など、この度の事件を契機として、日本でもテロや犯罪を未然に防げるような制度の検討をする議論が必要ではないだろうか。

少なくとも要人警備に関しては今のような制度ではなくシークレットサービスのような国家組織が必要なのは確かだろう。この度の悲劇に接して、そのような思いを深くせざるをえないのである。

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