企業の不正を防ぐために重要な内部通報制度を機能させるためには、通報件数を増やすことが肝要だ。内部通報件数が多い企業はあの企業だった。
「公益通報者保護法」が改正され、2022年6月から従業員301人以上の企業などに内部通報制度の整備が義務づけられた。
上司の不正を知っても弱い立場の部下が指摘することは難しい。だが、放っておくと大きな問題になり最終的に企業存続に影響することにもなりかねない。「内部通報制度」はこうした危機的状況を招かないための必要な制度として期待が高まっている。
事故や事件を防ぐには内部通報が機能することが大事
制度が機能するためには「通報しやすいオープンな社内環境を整備し、多くの声を集めること」が大切だ。相談を含む多くの情報から、わずかでも問題のある案件を見過ごさずに対応していけば、大きな不祥事になる前に防ぐことができる。
一方で多くの人が使える通報窓口を用意すると、通報内容は玉石混淆で数も増える。直接相対する総務部などの窓口担当者の負担も大きくなりがちだ。さらにトップが暴走した際に、社内のみの対応では上からの圧力を止めにくいことは容易に想像できる。
そこで、こうした問題点を解消するために外部窓口の設置を進める企業が増えている。法律事務所等で請け負うことが多く、深刻な問題の場合に社外取締役などに相談できれば、取り返しがつかなくなる前にギリギリで踏みとどまれる可能性が高くなる。
ここでは、内部通報件数が多い企業を紹介していく。原則2020年の通報件数で、相談等も含まれている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら