各国で炭素税の導入など温室効果ガスの削減に向けた議論が活発化。注目を集めるのが利益を温室効果ガス排出量で割って算出するROCという指標だ。その上位企業とは。
ロシアのウクライナ侵攻で、ドイツは石炭火力発電の一時的な稼働拡大を発表した。「脱炭素の見直しか?」という意見も一部にあるが、化石燃料削減の流れは大きく変わらないという見方が一般的だ。日本も2050年までに温室効果ガス(GHG)削減で、カーボンニュートラル実現、2030年度には2013年度比で46%削減を目標として取り組みを進めている。
こうしたなか各国で検討されているのが、GHG排出量に応じて炭素税や排出量取引などの負担を求めるカーボンプライシング(炭素の価格づけ)だ。実現すれば将来、多くの企業が炭素排出に関するコスト増に直面しそうだ。
ROCから利益影響を考える
そこで注目されるのが利益をGHG排出量で割って算出する炭素利益率(ROC)という指標だ。数値が高ければ炭素税などが導入されても利益面で余裕があることを示す。利益は本業の営業利益を使用することが多いが、このランキングでは全業種に対応するため経常利益(3年平均)を使った。
ランキング1位はかんぽ生命保険で17126.8(100万円/1000t-CO₂)。1t-CO₂当たりでは1712万円の経常利益を上げている計算になる。仮に1t-CO₂当たり10000円の炭素税を課せられたとしても利益の1712分の1程度の影響しかないと見ることができる。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら