自然資本や生物多様性保全活動に関する情報開示が企業に求められる中、そうした取り組みへの支出額が多い企業をランキング形式でまとめた。
2021年6月に企業や金融機関に、自然資本や生物多様性に関するリスク情報などの開示を求めるTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)が発足した。すでに多くの企業が取り組む、気候変動リスクが事業に及ぼす影響を評価・開示するTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)と同様に、生物多様性に関する情報開示も求められる可能性が高くなってきた。
生物多様性対策への情報開示が求められるように
SDGsでは、目標14「海の豊かさを守ろう」、目標15「陸の豊かさも守ろう」の2つが該当する。
だが、目標13「気候変動に具体的な対策を」など、ほかの環境関連の目標とも密接に絡み合う大きなテーマである。企業活動は基本的に自然環境に負荷を与える。こうした負の影響をどれだけ縮小していけるかをそれぞれが取り組みについて考えていく必要があるだろう。
たとえば製造業では、工場からの排水を法令などの基準以上に浄化して自然に戻したり、製品開発の際に循環できる素材や機器を積極的に使用するサーキュラーエコノミー(循環型経済)の取り組みなどがありそうだ。限りある資源を効率よく使い、自然環境に貢献していく活動は企業として当たり前の内容ともいえる。
ほかに河川や海の清掃活動や植林活動といった社会貢献的な自然保護への支援活動などもある。
こうした取り組みに対する実際の支出額を把握し、効果についての検証も行うべきだ。それを測る項目として「生物多様性保全支出額」がある。環境保全のための寄付だけでなく、企業活動を通した関連支出も含んだ額になる。
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