「飲酒運転の罪と罰」どれだけ重いか知ってますか 運転者本人だけでなく周囲が責任問われることも

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飲酒運転では厳しい行政処分と罰則(懲役または罰金)がある。

「酒酔い運転」(アルコールの影響により車両等の正常な運転ができない状態)の場合は、基礎点数35点で免許取り消し欠格期間3年の行政処分。そして5年以下の懲役または100万円以下の罰金。

「酒気帯び運転」の場合は、呼気中アルコール濃度で行政処分と罰則が異なり、0.15mg/ℓ以上 0.25mg/ℓ未満では基礎点数13点で免許停止期間90日。0.25mg/ℓ以上では基礎点数25点で免許取り消し欠格期間2年。そして3年以下の懲役又は50万円以下の罰金。

酒酔い運転、酒気帯び運転ともに、欠格期間とは運転免許が取り消された場合、運転免許を受けることができない期間のこと。また、欠格期間と免許停止機関は前歴と累積点数がない場合で、あれば長期化する可能性がある。

車を貸したり、酒を提供したりしても罪に問われる

2007年9月に施行された改正道路交通法では「飲酒運転及び助長行為の厳罰化」として、①車両等提供罪、 ②酒類提供罪、③同乗罪が織り込まれた。以下、警察庁の原議「丁交指発第137号、丁交企発第190号」をもとに概要を説明する。

①車両等提供罪とは、飲酒運転をするかもしれない人に車を貸して、その人が飲酒運転した際に“貸した人が問われる罪”。借りた人が酒酔い運転をした場合は、貸した人が5年以下の懲役または100万円以下の罰金。同じく酒気帯び運転をした場合は、同じく3年以下の懲役または50万円以下の罰金となる。

この車を貸す(提供する)際、自分名義の車でなくとも貸す人が自由に使える車であればその対象になる。例えば車両が自分の父親名義であっても、貸した息子(本人)がその罪に問われる。

②酒類提供罪とは、飲酒運転をするかもしれない人にお酒を提供して、その人が飲酒運転した際に“お酒を提供した人が問われる罪”。提供された人が酒酔い運転をした場合は、提供した人が3年以下の懲役または50万円以下の罰金。同じく酒気帯び運転をした場合は、同じく2年以下の懲役または30万円以下の罰金となる。

難しいのは提供の定義だ。お酒をコップに注ぐだけでは当たらないが、「お酒をどうぞ飲んでください」と勧める(幇助行為を行う)と飲酒運転の手助けにより立件対象となる。

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