明治安田生命、「金銭詐取1億円超」で広がる波紋 「営業職員指針」の策定で圧力強める金融庁

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それゆえ、営業職員による金銭詐取事案において、契約者以外にも被害者が存在しうることは、明治安田生命としても十に認識していたはずだ。

被害の範囲を見極めるためにも、本来であれば事案を早期に公表、広く周知して全容をつかむべきだった。しかし、調査対象を契約者だけに絞った結果、被害者が数人にとどまることから、被害拡大のおそれはないと結論づけていた。

その判断について、ある大手生保の幹部は「不祥事のダメージコントロールをするうえで一番まずい対応だ」と話す。

被害額は1億円超えか

さらに、公表した文書の内容にも疑問の声が上がっている。明治安田生命は元営業職員による金銭詐取の被害額について、文書では総額約2000万円と記している。

6月中旬に報道が相次いだことで、6月27日にようやく金銭詐取の事実を明らかにした(編集部撮影)

ただし、この総額には架空契約などにより金銭詐取したもの、その後和解に至った案件は含まれていない。明治安田生命の複数の幹部社員によると、実際に元営業職員が詐取した金銭(後に返還したものを含む)は総額で1億円を超えるという。

明治安田生命は調査の中で、「(架空契約など)事実認定が困難であった事案については、和解金として支払いを完了しているが、双方合意のもとで支払った金額であり、和解条項における守秘義務から回答できない」(同社広報部)としている。

個別の金額はさておき、被害全体の総額すらも曖昧にして公表する理由が、守秘義務にあるというのはいかにも説得力がない。

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