人生の引き際を考えた先に見える景色が何もなかったことも、みづきさんを苦しめた。
(2008年5月18日「せっかくやめたステロイドを復活してしまいました」)
家族と一緒に葬儀のプランを立てる
頑張らない先の生き方が想像できない。いっそ「このまま楽になりたい」との思いは何度も脳裏をよぎったが、思考が機能し続ける限りどこかで復活の道筋を考える自分がいる。6月に脳転移が見つかっても、そこは変わらなかった。
(2008年6月21日「MRIの結果報告および今後の治療について」)
しかし、次第に死を受け入れるようになってきたのも確かだ。このとき、Kさんは医師から余命数週間と知らされており、すでにみづきさんと情報を共有している。家族で葬儀のプランについて話し合うようになったのもこの頃だ。
6月下旬に意識不明から回復すると、死を受け入れる比重はさらに大きくなる。
少しずつ身体の回復が見える喜びがある一方で、恨めしく思う気持もあったりします。
なぜなら先日意識を失ったとき、あまりにも楽に死に近づけたからです。
さすがにあんなに簡単に楽になれることを経験してしまうと、辛いときにどうしてもそれを望んでしまいます。>
(2008年7月6日「正直疲れ気味です」)
2008年8月23日の夕方、みづきさんは38年と5カ月の生涯を終えた。

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