食べログに勝訴でも飲食店が抱く「後味の悪さ」 訴訟資料が「黒塗り」だらけで勝因わからず

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グルメサイト離れを加速させたのはコロナ禍だった。それまでは韓流村のように、グルメサイトに集客を依存し、そこから抜け出せないという飲食店が多かった。しかしコロナ禍で売り上げが激減。生き残るために、極限までコストを削減せざるを得なくなり、その矛先は月数万~10万円以上もかかるグルメサイトへの広告費に向かった。

飲食店が代わりに力を入れたのが、グーグルマップやインスタグラムをはじめとするSNSだった。グーグルマップ上での評価は、掲載に費用がかからず、なおかつ単純平均で算出されるため、食べログなどの評価システムより透明性が高い。またSNSも無料で、利用者の好みにパーソナライズされた情報が表示され、不透明な評価や掲載順への疑念は少ないからだ。

飲食店のみならずユーザーも、こうしたサービスへ移行している。飲食店に予約や顧客管理サービスを提供するテーブルチェックの調査によれば、全国の飲食店におけるユーザーの予約は、グルメサイト経由が4割強。依然として大きな影響力を持つものの、2019年1月時点の約6割からは減少しており、「ユーザー先行でグルメサイト離れが進んできた」(テーブルチェックの担当者)。

食べログ側は控訴し、今後も争う姿勢を示すが、その間にも飲食店、そしてユーザー離れは加速しかねない。口コミサービスを柱にするグルメサイトは今後、苦しい立場に追い込まれそうだ。

冨永 望 東洋経済 記者

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とみなが のぞむ / Nozomu Tominaga

小売業界を担当。大学時代はゼミに入らず、地元密着型の居酒屋と食堂のアルバイトに精を出す。好きな物はパクチーと芋焼酎。

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