ニューヨーク銃規制への「違憲判断」で広がる恐怖 乱射加速?アメリカの銃規制はさらに緩むか
アメリカ連邦最高裁判所は6月23日、国民は公共の場で武装する広範な権利を有するという判決を下した。自宅外での銃の携帯に厳しい制限を設けたニューヨーク州の法律を無効とするもので、同様の規制を設けている別の州も対応に追われている。
この判決により、州や連邦による既存の銃規制の緩和を求める訴訟が相次ぐことが予想され、全人口の4分の1が住むカリフォルニア、ハワイ、メリーランド、マサチューセッツ、ニュージャージーの5州は法改正を迫られることになる。
先月にはニューヨーク州バッファローとテキサス州ユバルディで銃乱射事件が発生したばかり。今回の判決が下されたのと同じ日には議会上院で、議会の長年の膠着解消に向けた大きな一歩となる、控えめな銃規制強化法案の承認が間近に迫っていた。
保守派判事に乗っ取られる国政
6対3で下された今回の判決では、保守派判事6人の全員がニューヨーク州の州法を違憲とする判断を支持。社会問題に関する国の方針決定において保守派判事が持つ力を改めて示すものとなった。リベラル派の判事3人は、この判断に反対した。
判決文でクラレンス・トーマス判事は多数派の意見として、憲法修正第2条は「自宅外で自衛のために拳銃を所持する個人の権利」を保護していると述べた。学校や政府の建物など一部の場所については各州が引き続き銃の携帯を禁止できるとしたが、判決はそうした銃規制が可能となる場所を厳密には示していない。