「話しかけづらい上司」は生産性をこうも下げる 職場で「心理的安全性」の確保が重要な理由とは

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つまり、上司の仕事の重要度が部下の仕事の重要度より圧倒的に高い場合を除き、(上司の進捗+部下の進捗)÷(上司の業務時間+部下の業務時間)の値を最大化することが、チーム全体の生産性を最大化することであり、それが管理職に求められることでもあります。

そのため、部下の質問に応じることはチーム全体の生産性に大きく影響し、それが管理職としての仕事の成果を左右します。

自分が忙しいときの対処法

ただ、部下の質問に応じることの重要性は理解できたとしても、自分の仕事が忙しいとついピリピリして、話しかけづらい雰囲気が出てしまうもの。それによって「上司に質問することへの躊躇」が部下の側に生じます。

そのため、そういった傾向にある人は、部下に「自分が忙しくピリピリしていても、そこは遠慮せずに質問するように」という点まで伝えておく必要があるでしょう。

ただ、何でもかんでも質問されると自分の時間が大幅に奪われることになり、それでは上司もたまったものではありません。また、部下に自分の頭で考えさせる姿勢を持たせることは、部下の育成上も重要なことです。

そのため、現場の状況に鑑みながら、一定時間は自分で考えさせ、それでもわからない場合は遠慮せずに質問させるというスタイルが望ましいと考えています。

「上司に質問することへの躊躇」が業務効率に大きく影響していることは、前職での経験でも実感しました。

私は前職で監査法人に勤めており、監査の仕事をしていました。監査はタイトなスケジュールで進むため、そうとうな業務速度が求められます。

そのため、メンバーのPCのタイピングの速さや文字を書く速さはすさまじいものがあり、PCのショートカット機能を使いこなし、さまざまな業務効率化の工夫をしていました。

私はあるチームに配属されましたが、そのチームのリーダーは感情の起伏がある方で、忙しくなるとピリピリして話しかけづらいオーラを出していました。

そのため、監査の現場ではそうとうなスピードが求められているにもかかわらず、メンバーはリーダーに質問することに躊躇し、質問できそうなタイミングをうかがったり、自力で解決しようと悪戦苦闘したりして、大幅に業務効率が落ちていました。

ショートカット機能を駆使したり文字を速く書いたりして、数秒単位で業務効率を追求しているにもかかわらず、「上司に質問することへの躊躇」によって、数十分、1時間、2時間の非効率が生まれている。この状況に大きな疑問を抱きました。

そのチームで、チームリーダーが前任者から私に変わりました。私は上記の経験から、「上司に質問することへの躊躇」の解消によって業務効率はさらに高めることができると思い、毎朝メンバーに次の言葉をかけるようにしました。

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