「話しかけづらい上司」は生産性をこうも下げる 職場で「心理的安全性」の確保が重要な理由とは
「本気で5分考えて、それでもわからなければ、自分が忙しそうにしていても遠慮なく質問するように。わからないことを1人で抱え込んで業務が進まなくなる状況を作らないように」
また、部下が質問に来ても忙しくて質問を受けられない場合は、「ちょっと今は無理なので、あと10分待ってもらえるかな。その後、質問に答えるから」と、質問に積極的に応じる姿勢は崩さないようにしました。
すると、部下が積極的に質問に来るようになり、部下の業務効率が上がりました。その結果、監査を終えるためにチーム全体でかかった時間は、前年の3分の2まで効率化することができました。
この経験から、「上司に質問することへの躊躇」が業務効率を大きく左右していることを身をもって実感しました。
「心理的安全性」はなぜ重要か
チームの生産性を高めるうえで、「心理的安全性」を確保することが重要だと言われますが、「上司に質問することへの躊躇」への配慮はその点からも重要な意味を持ちます。
心理的安全性は、「無知だと思われる不安」「無能だと思われる不安」「邪魔をしていると思われる不安」「ネガティブだと思われる不安」といった不安から解放され、安心して自分の意見や考えを言える状態のことをいいます。
この心理的安全性が確保されていないと、上記の不安を恐れ、発言や質問を控える、無能と思われないようにミスを隠す、ネガティブと捉えられないように否定的な意見を言わない、といったことが起こり、それがチームの生産性の低下を招きます。
上記の「本気で5分考えて、それでわからなければ、自分が忙しそうにしていても遠慮なく質問して」の言葉がけをすることによって、部下の「邪魔をしていると思われる不安」を払拭して心理的安全性を確保し、「上司に質問することへの躊躇」を解消することができます。
それによって部下が必要なときに必要な質問ができるようになり、その結果、チームの生産性が上がりました。
この経験から、「上司に質問することへの躊躇」の解消は心理的安全性の確保にもつながること、そして心理的安全性の確保がチームの生産性を上げることを実感しました。
管理職の仕事はチーム全体の生産性を上げることです。「上司に質問することへの躊躇」がチーム全体の生産性を下げていないかを意識することはチーム全体の生産性の向上に寄与するでしょう。そして、それは部下のストレスを軽減し、部下に働きやすい環境を提供することにもなります。
加えて、管理職としてのマネジメントの考え方を身につけることにもなります。自分の業務の進捗ばかり早めようとする管理職と、チーム全体の業務の進捗を早めようとする管理職。どちらの管理職がチーム全体の生産性を高めるかは言うまでもないでしょう。
こういったマネジメントの感覚を持ち、チーム全体の生産性を高めることができる管理職は貴重な人材です。それだけに貴重な人材だといえます。
これを機に、「上司に質問することへの躊躇」がチームの生産性を下げていないかを意識されてみてはいかがでしょうか。
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