松本明子さんの実家じまい「私のしくじり体験談」 50代で年に7回、四国に片づけに行く壮絶

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松本さんの父親が大事にしていた日本文学全集

父は小説家を目指した時期があり、離れの書斎に書籍があふれていました。整理していたらエロい本や雑誌がたくさん出てきたので、「あーあ、何やっているんだか」と苦笑しましたが(笑)、漫画家のみうらじゅんさんがほしいとおっしゃるので、全部引き取っていただきました。

父の名誉のために言いますが、作家を夢見ていたのは本当だったらしく、書斎には小説の完成原稿が一篇、残っていました。父の夢のかけらにふれて感動しましたし、みうらさんにお譲りした本や雑誌は、小説の資料だったのかもしれません。

道筋を早めに決め余裕のあるうちに始めていく

──実家じまいに手こずったからこそ、読者に伝えたいことはありますか。

実家を売却しようとすると、私の場合のように、3カ月などの短期間で売れるケースは少なくないそうです。自分が中年になってくれば、実家じまいは体力的にもしんどい。元気で余裕のあるうちに、コツコツと片づけておくといいと思います。

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きょうだいがいる方は、それ以前に話し合いを持っておくことをおすすめします。将来、実家を売却するのか、維持するのか。それとも相続放棄するのか。道筋は早めに決めておくほうがいいと学びました。私のように、大赤字を出さないためにも、です。

両親の遺品は捨てづらいかもしれませんが、自宅へ持ち帰るのは最小限にとどめることもお勧めしたいです。私の夫は理解ある人ですが、高松の実家から大きなダンボール10箱を持ち帰ったら、「こんなに荷物が増えるの?!」と、さすがにちょっと呆れていました(笑)。現物を保管するのではなく、デジタル化する方法もありかもしれません。

──松本さんはご著書で、ご実家の売却前にかかった諸費用の総額と内訳を公開されていました。実家の売却の可能性のある人は、金額をメモしておいたほうがいいですか。

私のように、現住地と実家の距離が離れている人ほど、ざっくりとでいいので書いておくといいと思います。実家じまいは、重い腰が上がらない人が多いと思うんです。でも、両親が実家を所有していたら、いつかはやらなければいけない。金額を見える化すると、やらざるをえないという気持ちになりやすいので。私自身、実家の維持費の見通しが甘かったことは、大きな反省点でもありますから。私みたいに、1800万円超もかける前にぜひ(笑)。

(この記事の前編:実家じまいに1800万円使った松本明子さんの痛恨

内埜 さくら フリーインタビュアー、ライター

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うちの さくら / Sakura Uchino

フリーインタビュアー
2004年からフリーライターとして活動開始。これまでのインタビュー人数は3800人以上(対象年齢は12歳から80歳)。俳優、ミュージシャン、芸人など第一線で活躍する著名人やビジネス、医療、経済や一般人まで幅広く取材・執筆。女性の生き方や恋愛コラムも手がける。

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