アジア部門は11年度後半に月次収支均衡目標。合弁解消の影響は大きくない--岩本信之・大和証券グループ本社CFO


 もちろん、日興コーディアル証券を持っているから、ビジネスのうえでは競合もある。ただ、昔から日興はあったわけでドラスチックな変化ではない。

--合弁解消後、格付けが低下し、業績も悪化していることで、市場からの調達金利にも影響が出ているのではないか。

調達金利にはほとんど影響は出ていない。

■リテールは円高で海外投資商品が逆風。ネット銀行は開業3年目で黒字化目標

--国内のリテール部門では、預かり資産の伸びが鈍い。近年、新興国ブームが続いたが、インフレ懸念も台頭する中、投信販売や外債販売はさらに伸びる余地はあるか。

今期はここまで、リテールの預かり資産の純増は順調とはいえなかった。投信が思ったように売れなかった。エクイティも為替もかなりアゲンスト(逆風)だった。当社は毎月分配型の外債ファンドなど、割と外物(海外投資の商品)が多かったので、顧客には厳しい状況だった。その意味で円高の影響は、輸出企業以上に大きいかもしれない。足元もその延長線上だ。

ただ伸びる余地はあると思う。日本株ファンドも、もう少しマーケットがよくなれば売れるのだが。

--オンライン証券部門ではFXで手数料無料化などシェア拡大戦略を強化しているが、現在の収支と今後の見通しは。

FXは手数料の無料化キャンペーンを実施しており、収益的な貢献は低い。また、株式の信用取引でも手数料を引き下げている。すると、新規顧客はそれなりに増えてきている。特に12月は手数料ゼロのキャンペーンをやったので、大きく伸びた。

特にアクティブな投資家の中では、手数料にセンシティブなお客さんが多いということだろう。今後も積極的に、アクティブな投資家の顧客獲得に努力していきたい。
 
--リテールはオンライン経由の取引がすでに85%を占めるが、対面営業の店舗の位置づけは今後どうなっていくのか。

それなりに店舗は必要だ。あまり減らすことは考えていない。株式市況が活発化すれば、オンライン比率は逆に下がる傾向にあるが、ここ最近はオンライン取引でキャンペーンをやっているので、若干比率が上がっているかもしれない。

当然、不採算の店は閉じることも考えるし、有望なエリアがあれば新規開店することもあろうが、むやみやたらに増やしていくことにはならないだろう。

--ネットバンクを今年開業する予定(来期早々)だが、預金や収益の規模は。どんな銀行を目指すのか。

純粋なインターネット銀行とは違い、業界トップクラスの顧客基盤を有する大和証券を代理店とするため、他のインターネット銀行より預金増加のペースは速いと考えている。

ある程度の規模にはなると思う。開業後3年目での単年度黒字化を目指していく。

■本社機能集約化でコスト削減200億円、収益増100億円の効果

--持ち株会社と証券子会社2社の本社機能を集約化し、今後2~3年で今年度対比年間300億円の収支改善を目指すという。本社部門から営業部門への人員再配置の効果と、システム・不動産関連など販管費削減から成るとするが、それぞれの効果は。

コスト削減効果が約200億円、人員再配置による収益プラス効果が約100億円というイメージだ。

企画、人事部、広報部にしても現在は本社、証券子会社2社それぞれにあるが、これが1つになる。それによって人員も半分近くに集約される。

--将来的には証券子会社2社を合弁前と同様、統合する方向か。

それはまだ決めていない。オプションとしてはありうる話ではある。

統合するのも、そんなにシンプルな話ではない。分けるのは比較的簡単だが、戻すのは大変だ。

いわもと・のぶゆき
1956年6月生まれ。兵庫県出身。80年、京都大学理学部卒業、大和証券入社。85年ロチェスター大学(NY)でMBA取得。2000年、大和証券SBキャピタル・マーケッツ デット・キャピタルマーケット部長。01年、大和証券SMBC国際金融部長。05年、大和証券グループ本社執行役CFO兼企画副担当。06年、同取締役、08年、同取締役兼常務執行役(CFO)、09年より現職。4月1日付で代表執行役副社長就任予定。

(聞き手:中村稔 撮影:梅谷秀司 =東洋経済オンライン)

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