前澤友作・スタートトゥデイ社長--“格好いいブランドがある”は第一段階、“何でも買えてすぐ届く”を目指す
--競合するネット販売サイトも多い。大手流通資本もネットにシフトしている。
ファッションに特化している分、物流も総合ネット販売に比べると、効率的にできている。
食品や本などはすでにナンバーワン企業があるので、そのような分野に参入していくつもりはない。ファッション分野でナンバーワンの強みを、最大限強化していく。
確かに流通大手もネットスーパーなどネット販売を強化している。が、彼らの物流はB to Bに最適化されている。直接消費者にモノを届けるB to Cにはまだ対応しきれておらず、効率が悪い部分もあるように感じる。
むしろ、大手カタログ通販の方がBtoCのネット販売はやりやすいと思う。ただ、紙媒体のカタログが中心になっていることが、ウェブでの事業展開にはマイナスになることもあるのではないか。一般論として、既存事業の志気を保ち、収益を維持しながら、新規事業に転換するのは難しい。
スタートトゥデイもカタログ通販から始まったが、ネットを始めたときにカタログ通販からはすっぱり撤退した。それによってネットに一極集中でき、現在につながっている。
--スタートトゥデイの最大の強みを自己分析すると。
ECサイトのポイントは商品、集客、サイト、物流の4つだと思っている。
ゾゾは、商品については順調に出店も増えているし、テレビCMをはじめとして効果的なプロモーションで集客もできている。サイトのデザインについても「格好いい」と評価されている。
ただ、これらの3つについては、差別化が難しくなってきていることも事実。
商品については、昔は人気ブランドにネット通販に出店してもらうのは大変だったが、今ではブランド側のネットへの理解も進んでいる。現に、ゾゾにある有名ブランドは他のネット通販サイトにもどんどん出店するようになっている。サイトのデザインや機能はまねすることもできるし、集客もある程度おカネをかければ難しいものではない。