北海ブレントは夏場120ドルがピークで、その後は60~70ドルへ調整《アフリカ・中東政情不安の影響/専門家に聞く》

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 サウジは生産量が日量1000万バレル(2月現在は860万バレル)にも及び、世界の生産量全体の10%強を占める。しかも、約500万バレルのOPEC余剰生産能力のうち、7割近くを占めるのがサウジだ。あくまで可能性の話だが、まったく安心というわけでもない。

--原油生産や輸送に実害は。

今のところほとんどない。ただ、リビアは情報が錯綜しており、タンカーの船積みに一部支障が出ているとか、油田の労働者がストを行っているなどの情報もある。

--今後の原油価格の行方は。

これから4月ぐらいまでは不需要期に入り、本来なら価格は下がりやすいが、今回は中東情勢の緊迫化、伝播の可能性が価格を下支える。サウジに伝播しないと明言できるまでには時間がかかるかもしれない。石油供給に対する市場の神経質な見方は残ってしまうだろう。

そうして春場に下がらないまま、ドライブシーズンで需要期の夏場に入る可能性がある。早ければ、7月下旬から調整局面入りが考えられるが、今の状況だと後ずれの可能性が高い。

QE2が終わる6月末に追加の量的緩和を行うかどうかも焦点。もし、やめないなら、景気回復期待が持続し、原油高の要因となる。

また、今年は平年より活発なハリケーンシーズンを迎えるとの予想もある。ハリケーンでメキシコ湾での石油生産が一時的に止まるおそれがある。

今のところ、北海ブレントで夏場の7月前半にかけ110~120ドルが高値のメドと考えている。だが、90ドルを超す水準は原油需要に響く。そのため、その後は60~70ドルへ向かって調整するだろう。価格上昇が後にずれればずれるほど、経済への失速懸念が強まり、調整時の価格下振れにつながりやすい。

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