育児がこうもしんどい理由は「不安」を抱えるから 育児は「逃げる」選択肢がほぼないという現実

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しかも育児の相手は、自分の思うようにならない子どもです。仕事ならAと入力すれば、Aと出てきますが、育児はAと入力しても、なぜかCと出てくるという難しさがあります。そんなに難しいことを誰の助けも借りず、弱音も吐かずにやらなければいけない、育児というのは、本当にストレスフルなものなのです。

本来は、そこで親がしんどいとSOSを出すことで家庭が開かれ、いろいろな人が介入して助けられるという流れが望ましいですが、世間の同調圧力のようなものがあって、それもなかなか許されません。結局、親がすべてを抱え込み、しかもそれを自分の中に抑え込むので、いずれ爆発して、家庭内の弱者である子どもに被害が及んでしまいます。

しかし、いくら子どもでも24時間365日好きだと思えるわけではないでしょう。むかつくこともありますし、張り倒したくなることもあります。それは自然な心の反応です。そこをうまくコントロールできれば毒親にならず、できなければ毒親になる可能性があるということです。

不安にこの要素がからむと危険!

子どもをもつ人のほとんどが、育児に対して不安をもっています。その不安に、さまざまな要素がからみ合うと毒親化していきます。その要素は主に次の4つです。

1 成育環境
2 性格、性質
3 夫婦関係
4 病気

1、成育環境というのは、自分の親も毒親だった、それによって自分に自信がもてず、子育てにおいても人からの評価が気になる人です。

2、性格、性質は、完璧主義、孤独を感じやすい、心配性、また子どもの気持ちがうまく読みとれない、痛いとかつらいとか、そういうことがピンとこない無頓着な人のことを指します。

3、夫婦関係については、夫婦仲がよくないことも毒親の要素の1つです。特にお母さんが家庭内で孤立していて、家庭外でも、仕事や趣味のコミュニティーがなければ、家にいる子どもに必要とされたいと、子どもを自分の承認欲求を満たす存在として扱ってしまいます。

また1人で育児をする=ワンオペ育児も危険度が高いです。夫婦仲がよければ、パートナーが自分の味方という安心感がありますが、夫婦仲が悪いと、育児のしんどさに対する理解者がいないので、一人で抱えることになります。パートナーの情緒的なサポートがないと、家庭内の弱者である子どもについ当たってしまうのは、よくある話なのです。

4、病気についてですが、実は毒親と呼ばれる人には、発達障害や軽い知的障害といった精神疾患を抱えている人も少なくありません。もともと発達障害や軽い知的障害のある人が、育児のプレッシャーによって症状が悪くなることはよくあります。

育児という慣れないことをこなさなければいけないプレッシャーで、いままでなんとかおさまっていた症状が出てきてしまうということです。疾患を抱えているからこそ、毒親になってしまったという見方もできます。

そのほか、アルコール依存症やうつ病の人も多く、結果的に子育てに悪影響を及ぼしていることもあります。

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