最近の若手は意見ないと思う上司の傲慢な勘違い 社員が萎縮「安心できない職場」3つの特徴

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ちなみに、「心理的安全性」を提唱した組織行動学者エイミー・C・エドモンドソン氏は、著書『恐れのない組織』(英治出版)の中で、組織の「心理的安全性」を測る7つの質問を紹介しました。それが次の7つです。ご自身の組織をチェックしてみてください。

① このチーム内でミスをしたら、きまって咎められる
② このチームでは、メンバーが困難や難題を提起することができる
③ このチームの人々は、他と違っていることを認めない
④ このチームでは、安心してリスクを取ることができる
⑤ このチームのメンバーには、支援を求めにくい
⑥ このチームには、私の努力を踏みにじるような行動を故意にする人は誰もいない
⑦ このチームのメンバーと仕事をするときには、私ならではのスキルと能力が高く評価され、活用されている
※①、③、⑤の質問は、指標が他と逆になり、否定的な回答がポジティブ傾向です。

これらの質問に対して、ポジティブな傾向になれば「心理的安全性が高い組織」、ネガティブな傾向になれば「心理的安全性が低い組織」と考えられます。

マイナスよりも「プラス面」を評価していく

また、ミスや失敗に厳しすぎる環境も心理的安全性が低いといえます。「減点主義」の上司が、人のマイナス面にばかり注目して、組織のやる気が落ちていく。

この構造の根底には、人は基本的に怠ける、悪いことをするという「性悪説」に根ざした人間観があります。だから、失敗やできていないところをチェックして、マイナス評価という「罰」により、失敗や怠けるのを防ごうとするのです。

しかし、マイナス探しばかりでは、新しい発想は生まれません。人は、やれと指示された最低限のことしかやらなくなります。新しい価値創造に重きが置かれた時代においては、自ら考え、指示された内容以上に期待を超えようとする集団と、最低限の期待ギリギリのところまでしかやらない集団とでは、「企業力」に大きな差が生まれます。

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