2万3万はザラ!海外で激売れする「日本酒」の正体 プロが勧めるおすすめ日本酒4選も紹介
現在、GI(地理的表示保護)制度により、日本酒は、GI白山、GI山梨、GI日本(!)などが認定されています。
地域名はいずれも銘酒の産地とわかりますが、水は微細な違いしかないことが多いですし、ほかの地域産の米の使用もOKですので、ワインのAOCのような「限られた産地としての個性の明確な言い切り」がやりにくいという課題があります。
なにより、日本酒は原料というより、技術由来で生まれる香味特徴として優位ですから、産地別の特徴や違いを打ち出しにくいのです。
外国人はもとより日本人にさえ、いえ、日本酒愛好家にさえ、その違いが見分けにくいという商品特性が悩ましいところです。
こうした香味だから高い、こういう香味だから安いとは、区別しにくい。だからどうしてもスペック優先、数字優先になってしまうのです。
「熟成」以外の価値基準も今後は必要
言い切れるのは、同じスペックでも「熟成」です。ワイン世界もウイスキー世界も熟成が価値基準の大きなウェートを占めており、判断しやすいためです。
ちなみに、7社の蔵元からなる一般社団法人刻SAKE協会が2022年4月に発売した「特別ブレンド樽後熟【刻の奏】」は、720㎖4本セットで80万円。10年以上常温保存した3種と冷蔵保存した4種をサントリー名誉チーフブレンダーの輿水精一氏がブレンド。その後「山崎モルトウイスキー」の樽にて2カ月後熟させた逸品です。
熟成以外でも、この味わいだから高いと言い切れる“何か”が必要だと考えます。手に入らないという希少性だけでは、世界へ向けての高級路線もいずれ頭打ちになってしまうかもしれず、その何かを考案できるかが今後重要になるはずです。
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