ひろゆきと考える 竹中平蔵はなぜ嫌われるのか 「住民税を払ってなかったって本当ですか?」

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ひろゆき:なるほど。じゃあどうして、脱税してるとか節税に熱心とかって書かれちゃったんですかね。

竹中:私は「台帳課税主義」自体が問題だと昔から言ってきました。1月1日の住民票の台帳によって、しかも前年の所得に対して住民税がかかるっておかしいじゃないですか。居住地の問題だけでなく、それだと、リタイアした人や休職した人は大変なわけですよ。今年になったら所得がないのに、去年の所得を前提に税金を払わされるんだから。その「台帳課税主義」の問題を指摘した際の私の発言を部分的に切り取って、私の悪口を言うためだけにそういうことを吹聴されてきたんです。

ひろゆき:メディアの問題だと。

竹中:はい。日本のメディアというのは、「強者」と「弱者」っていうわかりやすいレッテル貼りをして、「強者」とみなした存在をとにかく批判する。「小泉と竹中は悪いやつで、弱者を切り捨てた」っていうレッテルを貼って、その批判を流し続ける。こちらがどう説明したって聞いてなんてくれないんですよ。

「小泉さんは『マスコミがワンフレーズなんだよな』」

ひろゆき:でも、小泉さんも竹中さんも、郵政民営化の際にはうまくメディアを利用したっていう面もあるんじゃないですか?

竹中:少なくとも私には全くそのような意識はないですね。民営化に関してメディアに一生懸命説明はしましたけど、うまく使うとかそんなことを考えたことはないですよ。週刊誌を筆頭に、メディアというのは目立つ政治家が出てきたら、一時はわあっと持ち上げて、そのあとガツンと叩くじゃないですか。持ち上げるときに売り上げを増やし、叩くときにさらに売り上げを増やして〝一粒で二度おいしい〟っていう、それがメディア、特に週刊誌の一般的なマーケティングなんじゃないでしょうか。

小泉総理も「メディアをうまく利用した」ってよく言われますけど、それに対して小泉さんが面白いことを言っていました。「私のことをワンフレーズ(*1)ってマスコミは言うけど、それは違うよな。マスコミがワンフレーズなんだよな」って。

(*註1【ワンフレーズ・ポリティクス】演説などの政治活動において、簡潔でわかりやすい語句やメッセージによって、有権者の支持を獲得しようとする政治手法。日本での例として、小泉純一郎元首相が用いた「聖域なき構造改革」「痛みを伴う改革」「改革なくして成長なし」などが挙げられる。)

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