ニトリ、家具の王者が「家電攻略」に動き出す必然 エディオンと提携、メーカー出身者も続々採用

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ニトリは自社店舗の商材拡張のため2009年度から、小型家電の販売を本格的に始めた。中国メーカーへの製造委託などにより、ニトリのPB(プライベートブランド)家電として展開。現在は冷蔵庫や全自動洗濯機、エアコンなどにまで商品を拡充している。

シンプルなデザインで必要最低限の機能に絞り、価格もメーカー品と比べると安いのが特徴だ。「新生活に必要な家電5点セット」などと、家具の需要期と合わせた販売手法にも定評がある。

ニトリに行けば、新生活に必要な家具と家電がすべて手に入る。その利便性を売りにしてきたが、ニトリ関係者は「オリジナル家電を本格的に作っていくに当たり、販路が自社店舗だけでは弱いという課題認識があった」と明かす。エディオンとの協業の狙いの1つも、PB家電の販路拡大にあるようだ。

エディオンの販路が加わるメリット

ニトリ店舗では家具や生活雑貨が売り場面積の大部分を占め、家電に割けるスペースは限られている。エディオンへ卸すことができれば、店頭での露出機会や販売数量の拡大が期待できる。UBS証券の守屋のぞみアナリストは「エディオンの販路が加われば、ニトリのPB家電を自社店舗のみで展開していたときより、大規模なロットで生産可能となる側面もあろう」と、生産面でのメリットを指摘する。

また、PBがほとんどのニトリ店舗よりも、多数のメーカー製品と横並びで売られる量販店に置いたほうが、他社製品との売れ行きや顧客の反応の違いについて有益なフィードバックを得られる。販路拡大だけでなく、家電の開発力強化にもつなげられるわけだ。

一方のエディオンも、家電以外の商材拡張という狙いがあったとみられる。前出の関係者によると、提携が決まると両社の役員らは早速それぞれの店を視察し、家電以外で相互補完できる商品がないかを検討。その結果、ニトリのふとんなどをエディオンで取り扱う方向で合意したという。

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