「SDGsの大嘘」にほとんどの一般人が騙されるワケ 誰も反対できない17のお題目に潜む「矛盾」

拡大
縮小
世はまさにSDGsブームといえますが、その一つひとつを科学的に検証していくと矛盾もあるようです(写真:metamorworks/PIXTA)
世はまさにSDGsブーム。「よりよい未来をつくるために」と掲げられ、政府やマスコミも手放しで礼賛する17の達成目標はどれもご立派なものばかりだが、その一つひとつを科学的に検証していくと、欺瞞と矛盾に満ちた「大嘘」であることがわかる。「人々の『いいことをしたい』という善意につけ込んで、騙(だま)しているという意味では、かなり悪質だ」と生物学者・池田清彦さんは指摘する。最新刊『SDGsの大嘘』から一部抜粋・再編集してお届けします。

ここでは「SDGs」という考え方が実は多くの矛盾を抱えていて、それを無理に実現したところで「素晴らしい未来」などまったく訪れないという「嘘」を暴いていくわけだが、SDGsというものがかなり胡散臭いということは、実はこの言葉自体によく表れている。

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されていることが多い。

ただ、冷静に考えてみると、かなり変な言葉だよね。「SustainableとDevelopment」というなんとなく知的な、プラスのイメージがある単語2つをGoalsにくっつけているので、納得しちゃっている人もいるのだろうけど、これは言葉のつくり方からすれば完全に破綻している。

キャッチフレーズの成り立ちに潜む矛盾

「Sustainable(持続可能)」であるということは、そこで「Development(開発)」は止まるのが普通だし、その逆に「Development」を続けている限りは、「Sustainable」という状態にはならない。「Sustainable」でありながら「Development」をずっと続けていくことなんて、あり得ないわけだ。

次ページ水と油のように相反する言葉
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT