値上げラッシュが「マンション住民」に与える打撃 「在宅時間」が増えたために新たなトラブルも

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無事にエコキュートの交換が決定したら、搬入経路の確保が要チェック事項となる。エントランスを通過可能か、エレベーターでの運搬ができるか、専有部分の玄関からバルコニーまでの経路に難がないかを再度確認しなければならない。

さらに新築時には、一旦クレーンで吊り上げ、バルコニー側から搬入していた可能性もある。交換時にはまったく違う搬入経路の確保が必要になるかもしれない点も頭に入れておこう。

値上げラッシュが管理組合の収支にも影響

マンションでは照明やエレベーター、給水ポンプ、機械式駐車場など共用部分で多くの電気を使用することになる。マンションでの快適な生活を実現するために、電気は不可欠な存在だ。ところが電気の利用料金は年々、上昇の一途をたどっている。毎月値上げしているような状況が続き、過去最高値を記録するほど高騰しているのが現状である。

背景には緊張が続くウクライナ情勢により原油や液化天然ガス(LNG)などの輸入価格の高騰、燃料費が上昇していることが影響を及ぼしている。さらにコロナ禍からの回復による経済活動の活発化、世界的な脱炭素化の流れなど複数の要因も関係し、電気料金上昇へとつながっているのだ。

※東京電力の標準的な家庭の1カ月当たりの料金を例に挙げよう。2022年3月は8244円で、さらに4月分は115円上昇して8359円となっている。さらに5月は8505円、4月より146円アップした。値上がり幅はそれぞれ1.39%、1.7%となる。月単位ではそれほど多くない電気料金も、年単位で考えると大きな負担となる。特に月間数十万の電気料金を負担するマンション管理組合会計への影響は避けられない。

マンション管理組合としては、電気料金や値上がりについて加味したうえで予算を見直す必要がある。総会用の議案書の予算項目に電気料金や値上がり分について加筆、議案書を作成することを推奨したい。

■コロナ禍で増えた「置き配」がさまざまなトラブルの原因に

快適なマンション生活を妨げる3つめのトラブルは、「置き配」が関係している。コロナ禍の巣ごもり需要により、ネットショッピングの利用者が増えた。それに伴い、非対面で荷物を受け取れる「置き配」のニーズも高まる一方である。しかし急速に浸透した「置き配」は、次のような複数のトラブルの原因にもなっている。

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