いつまで続く?大阪梅田「駅前大改造計画」の行方 「うめきた」以外に再開発、万博後も終わらない

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さらに大阪駅の東側では、阪急大阪梅田駅と直結する大阪新阪急ホテル・阪急ターミナルビルの建て替えと、阪急三番街の全面改修の計画がある。阪急阪神ホールディングス(HD)は5月20日に発表した2040年に向けた「長期ビジョン」にこれらの「芝⽥1丁⽬計画」を盛り込んだ。近隣に2019年、「ホテル阪急レスパイア大阪」が開業していることもあり、新阪急ホテルは2024年度末ごろに営業を終了することがすでに決まっている。

着工や完成の時期は未定だが、長期ビジョンでは、芝田1丁目計画やなにわ筋連絡線・新大阪連絡線などの大規模プロジェクトに関連して「2030年度の時点ではまだ道半ば」、「それらの本格的な利益貢献が期待できる2035〜2040年頃」という表現を用いている。

大阪梅田駅の阪急ターミナルビル(記者撮影)

阪急三番街と言えば、1階の長距離バスが発着するバスターミナルや古書店街がおなじみ。紀伊国屋書店前の大型モニター「ビッグマン」は、茶屋町や赤い観覧車の「HEP FIVE」方面へ出かける若者も集う、阪急ユーザーにとって定番の待ち合わせ場所の1つだ。

阪急阪神HDとしては梅田1丁目1番地計画やうめきた2期に続く大規模プロジェクトの位置づけだ。同社広報担当者は「梅田は当社にとって重要拠点の1つ。阪急も阪神も100年以上にわたって事業活動をしてきた地なので、責任をもって開発に携わっていきたい」と話していた。

梅田の「シンボル」も建て替え

このほかにも大阪駅の南側、「ダイヤモンド地区」と呼ぶエリアの“梅田のシンボルタワー”が話題になった。大和ハウス工業と大阪マルビルは5月13日、円筒状の外観が目を引く「大阪マルビル」の建て替え計画を発表した。

大阪マルビルも建て替えが決まった(記者撮影)

現在の建物は1976年の完成、地上30階、高さが約123mある。屋上には「回る掲示板」も設置されていた。地上に近い壁面の緑化は安藤忠雄氏の提案による。中上層部は阪急阪神第一ホテルグループの「大阪第一ホテル」で、低層部と地下にレストランや物販の店舗が入っており、2022年1月までタワーレコードがあった。

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建て替えに伴い、ホテルは2023年3月末で営業を終了する。同年夏ごろに解体を開始し、2030年春にホテルや多目的のホール、オフィスからなる、現在よりも高層化したビルが誕生する予定だ。2025年の万博開催期間中は、バスターミナルとして敷地を提供、仮設の待合スペースやバスの待機場などを設けて会場アクセスをサポートするという。

久しぶりに梅田を訪れてみたら、風景が一変していて戸惑った――。こうした経験をすることがこの先何度もありそうだ。

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橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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