表舞台から忽然と姿消した「ウイスキー」復活の訳 70年代には蒸留所が2000以上から2カ所に減少

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

アイリッシュウイスキーの特徴って何?

ウイスキー初心者でも、とっつきやすいといわれるアイリッシュウイスキー。その特徴は、ライトボディーで雑味が少なく、すっきりとした味わい。そしてシトラスフルーツやトロピカルフルーツ、キャラメルなどを想起させることもある華やかな香り。スモーキーなスコッチウイスキーとは明らかに違いますね。そんなアイリッシュウイスキーの特徴は、造り方によるところが大きいのです。

まずは、アイリッシュウイスキーの定義は、次のとおり。

1.穀物を原料とする
2.アイルランドで醸造(糖化/発酵)、蒸留、熟成をする
3.容量700リットル以下の木製樽で3年以上熟成する
4.アルコール度数94.8度以下で蒸留
5.瓶詰時のアルコール度数は40度以上
(写真/椙本裕子<【Q6】、店舗>)

そして、レギュレーションではないけれど、蒸留を2~3回行います。

原料が穀物オンリー。これはスコッチウイスキーやジャパニーズウイスキーと同じですが、基本的にピート(泥炭)は使っていません。そのためピート由来のスモーキーな香りというよりも、原料がもつ芳醇な香りがダイレクトに伝わってきます。

そして3回蒸留など、蒸留を重ねる丁寧な仕事により、軽くてクリーン、なめらかな風味、さらに雑味のないクリアな味わいが生まれるのです。

注目したいのは、アイリッシュウイスキーには樽の材質や穀物の種類に決まりがないこと。これにより、革新的な方法をあれこれ挑戦することができます。例えばスコッチウイスキーのカスク(樽)はオーク材でなければなりませんが、アイリッシュウイスキーはオーク以外の木を使うことも可能です。

次ページ苦肉の策から生まれた蒸留法も
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事