指輪型決済端末に三菱UFJや伊藤忠など16社出資 日本発フィンテック技術に対する期待は大きい

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東証グロース市場上場のMTG傘下で、指輪型の非接触型決済デバイスを手掛ける「エブリング」(東京都中央区)は31日、三菱UFJ銀行や伊藤忠商事など16社から10億円を超す資金調達を行ったと発表した。

エブリングの指輪型決済端末 

発表資料によると、出資したのは三菱UFJ銀と伊藤忠のほか、大和ハウス工業や凸版印刷、戸田建設、PR会社のサニーサイドアップなど協業を視野に入れた国内の事業会社が大部分を占める。

これに先立ちMTGは同日朝、エブリングが第三者割当増資で約10億4000万円を調達し、増資後の持ち株比率は引き続き過半数を超えると発表していた。この日のMTG株は大幅高で取引を開始し、一時前日比9.2%高の1347円と2月14日以来の日中上昇率を記録した。

昨年5月に発売されたエブリングはビザのタッチ決済対応でキャッシュレスで買い物の支払いができる。近距離無線通信(NFC)のチップを内蔵しており充電の必要がなく、防水機能も備えているため、装着したまま入浴することも可能だ。3月からは自宅やオフィスなどの電子錠の鍵として使える機能も追加し、今後もヘルスケアなど多機能化を進める方向だ。

今回のエブリングへの出資には銀行や商社、住宅など多様な企業が名前を連ねており、スマートウオッチに代わる日本発の新たなフィンテック技術に対する期待の大きさがうかがえる。

伊藤忠の広報担当者は自社のクレジットカード関連事業との相乗効果を期待して情報・金融カンパニーが出資する予定で、出資額は数億円規模になると述べた。

大和ハウスの広報担当者はスマートリングから生体認証やヘルスケアなどの情報を取得し、そのデータを戸建て住宅にも活用していきたいと述べた。

MTGは腹筋を鍛える「シックスパッド」のほか、美顔ローラーなど幅広い製品を手掛けており、エブリングの株式約80%を保有。エブリング事業の手応えなどを見ながら、スピンオフの作業に入りたい意向を示していた。

シックスパッドのMTG、指輪型決済デバイスを次のユニコーンに (1)

(エブリングの正式発表を受け、記事を再構成します)

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著者:堀江政嗣

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