マンションは今、広い郊外より狭い都心買うべき訳 「価格が高いから郊外に行く」は最もダメな選択

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ちなみに、先日、このエリアでの新築の2LDKと築浅の3LDKでどっちを買うべきかの相談を個人から受けた。

売却を想定した際に、こうしたエリアでは、「過去のストックが多く、今は供給が少ない面積帯や間取り」が有利になる。なぜなら、ストックは顧客ニーズを反映していて面積広めが多いが、新規供給は単価水準を反映して面積が小さいからだ。

この相談に対する答えとしては、資産性がある場所であるならば、新築の2LDKと築浅の3LDKで買っても大丈夫となる。

狭いマンションでも重要なのは立地

今回のコラムをまとめると、狭いマンションでもいいので買ったほうがいいことに変わりはない。その際に立地選定が重要になるので、まずは自分の年収と資産性などから駅の絞り込みを行う必要がある。

立地が決まれば、新築・中古に限定せず探せばいい。あとは適正価格で買うだけだ。住まいサーフィンでは新築も中古も適正価格を表示しているが、物件検索サイトでも相場感を理解できる。同一駅の中古物件を検索し、その売り出し価格から2割引いた価格が成約価格に近いので、例えば築5年までの単価を算出したら、新築価格は5年でその価格まで落ちることを想定すればいいのだ。

これで失敗のないマンション購入を実現することができる。

沖 有人 不動産コンサルタント

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おき ゆうじん / Yujin Oki

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、監査法人系・不動産系のコンサルティング会社を経て、1998年に現スタイルアクトを設立。住宅分野において、マーケティング・統計・ITの3分野を統合し、日本最大級の不動産ビッグデータを駆使した調査・コンサルティング・事業構築を得意とする。設立当初から運営する分譲マンション価格情報サイト「住まいサーフィン」の会員数は30万人以上。『マンションは10年で買い替えなさい』(朝日新書)、『タワーマンション節税! 相続対策は東京の不動産でやりなさい』(朝日新書)など著書多数。

 

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