精神科医が分析「コロナで生じた同調圧力」の背景 「長いものには巻かれない」ための対応策も紹介

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この国の政治家には、欧米の政治家のように、大胆な政策変更を提案する力はありません。そこで、私は、1人ひとりの個人が、少しずつでも「自分の生き方を取り戻す」気持ちになることが大事だと思います。

「したかったこと」をリストにしてみる

その手始めとして、コロナ禍がはじまる前に、「自分がしたかったこと」を思い出してみてはいかがでしょうか。それをリストにしてみるのです。

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「ピアノを習いに行きたかった」「親に孫の顔を見せたかった」「あちこちに写生に出かけたかった」。──どんなことでも、かまいません。そうして、今、できることから、1つずつトライしてみるのです。

そうして、人生を「自粛」のなかで、これ以上、空費するのはやめませんか。

人生は、おおむね、人の意見に従うと、不幸になります。失敗したとき、自分のせいではなく、人のせいにするためです。その負の感情が人を不幸にするのです。

良識を働かせながら、自らの判断で、自分のしたいことをする。──そうして、同調圧力には100%は屈しない。同調圧力という「長いもの」に巻かれながらも、巻き返す。この時代、自分らしく生きるには、そんな覚悟が必要だと、私は思うのです。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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