思春期の心を揺るがす「脱マスク」の意外な盲点 他人の目を意識してマスクを外せない子もいる

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このこととマスクの着脱がどう影響するか。思春期は自分が他人からどう見られているかということを非常に気にする時期です。私には高校1年生の娘がいますが、コロナ禍では昼食時も全員前を向いて黙食、それ以外はマスクをつけて過ごしました。

中学の卒業アルバムの写真撮影時にマスクを外して、初めて顔をちゃんと見たクラスメイトもいて、戸惑いを覚えたようです。自分も丸裸にされたような感覚で、一刻も早くマスクをつけたいという気持ちになったようで、クラスメイトの中にもそう思った人がいたそうです。

マスクを外すことによる他人の反応が気になる

――感染リスクが低下すれば、マスクを外せばいいという単純な話ではないということですね。

例えば40歳の大人であれば、マスクありの生活は全人生の20分の1程度しかありません。しかも大人になってからコロナ禍を過ごしました。しかし14歳の子であれば、全人生の7分の1を占め、かつ多感な時期で、マスクをつけることにより自分の顔を隠せるという安心感を覚えていた子もいるでしょう。そういう子はマスクを外すことで、他人の反応が怖いと思う可能性があります。

もちろん、ヒトは顔の下半分も含めた豊かな表情を手掛かりにコミュニケーションするのが本来の姿です。しかし、いきなりマスクを外すのが怖い子への配慮も必要でしょう。

――そのために大人はどうすればよいでしょうか。

日本はマスクを着用するにしても、外すにしても同調圧力が強い社会です。すぐに外せない子がいてもプレッシャーをかけないように、個々の自由な選択を許す空気の醸成が必要だと思います。

藤尾 明彦 東洋経済 記者

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ふじお あきひこ / Akihiko Fujio

『週刊東洋経済』、『会社四季報オンライン』、『会社四季報』等の編集を経て、現在『東洋経済オンライン』編集部。健康オタクでランニングが趣味。心身統一合気道初段。

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