東急「歌舞伎町タワー」、激戦区で勝つ差別化戦略 シネコンもホテルも高単価でプレミアム感

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新宿・歌舞伎町に2023年春開業する「東急歌舞伎町タワー」のイメージ(画像:東急)

JR新宿駅東口から「新宿アルタ」の脇を通って歌舞伎町方面に向かうと、まず目に飛び込むのが巨大怪獣「ゴジラ」の巨大な頭である。2015年に開業した新宿東宝ビルの上から顔をのぞかせるゴジラは、現在の歌舞伎町のシンボル的存在である。

その歌舞伎町に新たなシンボルが生まれようとしている。新宿東宝ビルと「シネシティ広場」をはさんだ向かい側で建設が進む超高層ビル「東急歌舞伎町タワー」である。

開業は2023年春。外観のデザインはほぼ完成している。四角形で構成される一般的なビルと異なり、ビルの頭頂部が白くなり空に向かって跳ね上がっているような印象を受ける。外観をデザインした永山祐子氏によれば、白くなった部分は「水の飛沫」で、「水の勢いが天に伸びるイメージ」だという。

コロナ禍で計画練り直し

永山氏をはじめとした東急歌舞伎町ビルのスタッフたちが、その概要を4月26日に記者発表した。地上48階建て、地下5階のビル外観は中層部にも水の飛沫のような形状がある。かつてシネシティ広場には噴水があり、人々の憩いの場でもあった。そうした背景を思い起こせば、ビルの外観を2段構えの噴水にたとえることもできそうだ。

ライブホール、劇場、映画館、そしてホテルなどで構成する超高層ビルを建てるという計画が動き出したのは2018年だが、その後コロナ禍が猛威をふるった。東急の髙橋和夫社長は「コロナ前に考えたものをそのまま提供するわけにはいかない」と判断し、計画は練り直しを余儀なくされた。

そしてコロナ後を踏まえて改めて作られたのが今回発表された概要である。

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