マスク越しの意思疎通「声の使い方で超改善」の訳 「高い声」と「低い声」はそれぞれ役割がある

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ただ、高い声はあくまでもポイントで使うことです。会議などでいきり立って高い声でしゃべり続けている人を見るのは、あまり楽しいことではありません。

プレゼンテーションの場などでは、まず高い声で人々の関心をぐっと引きつけ、その後は説得力の増す低い声で話す、また強調したいところでは高い声……と、声の持つ役割を理解して使い分けていきましょう。

重要:「高い声」で注目を集め、「低い声」で語り掛ける

声を「意識的」に変えてみる

「自分の声をそんなふうに自由自在に使い分けられたら苦労はしないよ」と思われているかもしれません。たしかに、TPOによって声を変えようと考えている人はあまりいないかもしれませんね。しかし、実際は場面、場面で人は異なる声を出しているものなのです。会議の場でも「自説をまくしたてるとき」と「感情的になっている人を落ち着かせるとき」では、しゃべり方だけではなく、声も違うと思いませんか。

実際、カラオケで歌を歌うと、自分の声帯からさまざまな音域が出ることがわかります。 自分が普段使い慣れている声はありますが、それは「習慣」になっている声だというだけです。

例えば、俳優は「落ち着いた医者の役」をやるときは「落ち着いた声」で演じるし、感情抑制の効かない軍人をやるときは、いきり立つような高い声で役を作るものです。発声の訓練を積んだ俳優や声優だから、声の高低を自由に操れるわけではありません。誰もが多かれ少なかれ、無意識にやっていることなのです。

そこを「意識的」に変えてみましょう。自分が置かれた場面で、どの声を出すのが一番効果的か、わかるようになっていきます。そういう訓練を習慣的に重ねていくと、「こういうとき、あの人みたいな声が出せたらなあ」と思える人が出てくると思います。そういうときは、ぜひその人のまねをしてみてください。やがては自分の声がその人に近づいていくものです(5年以上はかかりますが)。

鳥類(ウグイスなど)は声のよい雄に雌が寄ってきます。求愛行動は、種の保存に関わる生物の本質にかかわるもの。人間は理性を重んじるあまり、本能の持つ大きな力を忘れがちです。この機会に、声の本能に訴えかける力を意識し、改善を図るのも得策です。

重要:声の力は、本能に訴えかける力
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