お米が狙い目?「悪い円安140円時代」への心構え 経済ジャーナリストが断言「値下がりはない」
ならば、国産なら安く買えるのかといえばそれも違う。国内の畜産も、育てるためのエサなどは輸入頼り。円安でそれらの仕入れが高くなれば、やはり値上げせざるをえないのです」(荻原さん、以下同)
消費者も苦しいが売り手も苦しい。都内を中心に安価な生鮮食品を届けるスーパーマーケットのチェーン、「アキダイ」。秋葉弘道社長はこう語る。
「お客様の懐にお金がいっぱいあって、みんなついてこられるというなら値上げできるかもしれないけどさ、今の状況じゃ、ムリでしょ? うちらもなるべく安く提供したいのが本音。でも次から次へと値上がりが続くんじゃ手の打ちようがないのよ」
「アキダイ」でも、4月後半から輸入ものは軒並み値上がりしている。
「マグロ、アスパラ、ベビーコーン、かぼちゃ、グレープフルーツ、バナナ、じゃがいもなどね。マグロは2割増し、1・5倍くらいになっているものもある」
「ゼロ金利」で日本はジリ貧
そもそも、円安はなぜ起こるのか?
「いちばんの要因は『金利差』。景気をよくするため、国内にたくさんお金を流通させたい日銀がとっている『ゼロ金利政策』が問題なんです」
世界的な新型コロナ大流行が経済に与える悪影響の負担を減らそうと、アメリカをはじめ世界中が採用したのが「ゼロ金利政策」。しかしコロナ禍も3年目に突入し、多くの国々は金利の引き上げに戻りつつある。ところが日本だけは今でも「ゼロ金利」を続けているのだ。
「例えば『金利が高い銀行』と『金利が安い銀行』があったら、誰でも『金利の高いほう』にお金を預けたいですよね。つまり、みんな金利がつかない円を処分して米ドルなどに乗り換えたいと考えるのは当然。円は買い負けして、どんどん安くなります。結局、『ゼロ金利』の政策的な体制が変わらないなら、この流れには歯止めがきかない」
今まさに「円安」と「世界的な物価高騰」というダブルパンチが、国内でのあらゆる値上げを勢いづけている。